光文社古典新訳文庫<br> 白痴4

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光文社古典新訳文庫
白痴4

  • 著者名:ドストエフスキー/亀山郁夫【訳】
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  • 特価 ¥800(本体¥728)
  • 光文社(2019/01発売)
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  • ISBN:9784334753870

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内容説明

「あなたと会えるのはこれが最後かもしれない。最後かも」かつてナスターシヤが語った言葉に導かれるように、この終楽章が始まる。悲劇的なるものとコミカルなものが融合した「世界一美しい恋愛小説」は、4人の運命を、ある渦巻きの中心に向かって引きずり込んでいく。全4巻完結。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

53
【ガーディアン必読1000冊】毎巻毎に「えっこれ本筋と違うよね?」と言いたくなる話を出すドスト。今回はフツーの人論。エパンチン家のアグラーヤが公爵に「あたし教師になりたいから一緒に駆け落ちして!」と頼みこんで(いやそれ公爵の性格上絶対無理)から1週間後。一見ドSに見えてとことんドMだったナスターシヤ(いやだってそうでしょう、好きな人の結婚を見届けてから自分は好きでもない男と結婚するとか!)の写し鏡として、何事も受け入れ誰とも喧嘩しないムイシキン公爵がドMにして彼を慕う二人の女性にやっていることはドS。 2022/11/02

はっせー

51
白痴を通読出来た。通読直後は、頭がぽわんってしていた。情報量がスゴすぎた。なんかお酒を呑んだあとの感覚にも似ている。裏表紙に書かれている言葉である「世界一美しい恋愛小説」はまだはっきりと同意は出来ない感じ。恋愛小説という部分を否定しているわけではない!ただ恋愛小説というカテゴリーを越えるものなのかなと感じている。私が思う本書のイメージは「解釈の文学」ではないかと思った!2025/03/23

里愛乍

40
ワルワーラさんではないが、「お願いだから、哲学はいい加減にして!」叫びたくなる。どうにもめんどくさい人ばっかりに思える私は、ここでいう思慮の浅いオリジナリティのない人間なのでしょう。もっともこの複雑さが物語の醍醐味なのですが…結末の展開ありきで進められてきたラストもこの「哲学」の結果であり、斯くも三人の関係性が伺える印象的な場面となっています。信仰も宗教も持たない、この三人の思惑に添えない私はちっぽけな蝿に過ぎない。だからこそ、客観的に楽しめたのだと思います。2019/05/27

kazi

38
この小説、いろいろとレベル高すぎる。なにもかもが、あまりに暗示的で物語の意図を捉えるのに非常に難渋しました。巻末の亀山解説が無かったら、何も理解できんかっただろう。4巻はラストのムイシキン公爵とロゴージンのシーンがあまりにも衝撃的・・。解説によるとロゴージンとムイシキンは不能者であるとなってるけど、その描写は何処にあったん?オリョール行き=ロゴージンによる監視・支配・カード遊びという去勢された日常から逃避して、鞭身派へ身を投じる行為?2021/02/02

田中

37
ムイシキン公爵は、ナスターシャへの「憐れみの愛」と救済心を捨てきれなかった。いや、破滅を予見し、放棄する意思は保っている。が、アグラーヤは大きな誤解にとり憑かれ、公爵の真情を歪曲して断じるのだ。それだけ混迷する修羅場を、わざわざ設定したのは、アグラーヤ自身である。プライドの高い二人の美女は、自分も気がつかない別の魂が突如あらわれて先鋭化した。両極があい交わってしまう、おぞましい自爆劇。そもそも公爵は、アグラーヤが大好きで「光彩ある希望の愛」を抱いていたのに。不自然な挙動と一瞬の言質で奈落の底に落ちる。 2022/11/12

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