- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
敗戦からの復興と公害問題、高度成長期の歪み、安保闘争、少年犯罪、貧困……、日本が時代ごとに抱えていた戦後から現在に至る社会問題を、ミステリー(探偵)小説を通じて浮き彫りにしていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
124
日本の戦後のミステリー小説を十年ごとの区切りによって作品を解説してくれています。ほとんど名作といってもいいもので私もかなりの作品を読んでいます。横溝正史や鮎川哲也、松本清張、などから最近の薬丸岳、横山秀夫、阿部智里 などに至るまで世相とともに解説してくれているので昭和、平成の時代をミステリーからみたものになっています。未読の作品もあるので読もうという気になりました。2019/04/29
佐島楓
65
作品の紹介ごとにあらすじがついているが、作品執筆時(または作品に取り上げている時代)の時代背景に触れるだけならこんなに長く書かなくてもいいのではないか。かなりネタバレしてしまっており、読む気を削がれる可能性がある。2019/01/28
buchipanda3
53
文学者である著者が国内の名作ミステリ小説を通して戦後社会の風潮を捉えていくという本。「本陣殺人事件」や「人間の証明」、最近だと「愚者の毒」など60作以上が取り上げられており、書かれた時代の背景とリンクしてどんな風に語られるか興味が惹かれて読んでみた。娯楽小説を軸とする割に結構堅めな内容で読み進めにくかったのが正直なところ。作品の解説もネタバレしてて未読作品は注意を払って読むことに。ただ、戦後から70、80年代ぐらいの時代の雰囲気と作品の結びつきは新鮮な気持ちで読めた。この辺りの時代の作品をもっと読みたい。2019/02/18
涼
34
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/06/post-be9513.html2020/06/25
そうたそ
19
★★☆☆☆ 日本の戦後をミステリーとともに繙いてゆくという、本書の試みの面白さに惹かれて手に取った一冊。だが本書がそのねらい通りになったかといえば、お世辞にもそうはいえないという印象。羅列的に記された各ミステリーに関する著者の批評に何とか戦後史を語ろうという試みは見られるものの、それよりも安易なネタバレがとても気になった。名前を知らなかった作品も結構ありブックガイドとしても読めるのかもしれないが、そもそも文章自体が読みにくく作品の魅力が伝わったかといえば、そこもまた厳しいなあ……と思った次第。2019/02/14