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内容説明
大自然と調和して生きてきた日本人。四季の移ろいの中から神や精霊の概念が生まれ、祭りや郷土芸能が育まれてきた。神事である御幣の祭り、大黒舞などの初春の芸、様々な鬼の祭りや獅子舞、田植えの祭りや語り物、能や風流―時代の変化の中で刻々と失われゆく信仰の情景を、折口信夫に学び、宮本常一と旅した目で捉える。各巻200点超の写真を収録、民俗学的フィールドワークと写真家の眼差しを交差させた、記念碑的大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
日本列島にある様々な祭り。北海道から沖縄。盆踊り、田遊びに虫送り、そしてそこに訪れる神々や鬼たち。収められた写真の数々から、この国の民俗の豊饒さが伝わってくるようである。全て昭和から平成にかけて撮影されたもので、民俗儀礼の過渡期で祭事が色々と変化する直前を収めれたようにも思えるし。信仰と祭事が一体だった時をぎりぎりカメラに収めれたようにも思える。それにしてもここに収められた季節ごとの祭りや、それに関連した行事、来訪するものを見ていると、日本人が自然と季節と共に歩んできたという事が、実感として感じられた。2017/11/04
たまきら
24
日本の祭りが好きな人間にはこたえられない写真集です。集落で脈々と受け継がれてきた芸能。つたない出来だったりいびつだったりするものもあるけれど、妙に底が力強かったりもする。文庫サイズなんですが、大きな本で読みたかったです。2020/10/28
ゆきこ
14
昭和27年から平成8年に撮影された、日本各地のお祭り、民俗芸能の写真がふんだんに掲載されています。本当に貴重な資料で、ずっと見ていても飽きません。中には能登地方の民俗も取り上げられていて、能登半島地震の被災地の様々な伝統が、この地震で途切れることなく今後も引き継がれていけるといいなぁと感じました。今はYouTubeで各地の伝統行事、芸能を見ることができます。この本で紹介されている芸能も、検索すると現代まで大切に続いている様子を見ることができます。映像で見ることができて大変ありがたいです。2024/02/24
ダージリン
3
実に貴重な記録である。社会が変化していくのは仕方がないし、止めようもないのだが、各地で行われていた祭り、神事、芸能の記録が残されていることは救いである。祭りの形などは変わっていくものだが、もともとの起源や、どのような信仰を反映していたのかは、しっかりと残されていくことが重要であろう。2024/04/09
テッテレこだち
3
前半2/3は実際の祭礼の様子の写真に短いキャプションがつけられており、後半1/3はそれぞれの祭礼の在り方についての解説で成っている。写真は白黒のため色彩はわからないが、鬼や来訪神など、類似したテーマごとに各地の祭礼が並べられており、見応えがある。巻末の参考文献も重要。2023/09/15
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