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内容説明
人気エコノミストが徹底解説!
長時間労働、ワンオペ地獄、人材に投資しない……だから給料が上がらない
「働き方」の不条理を解決するツボが丸わかり!
「生産性を高めよう」が合言葉になっている。きっかけは安倍政権が「働き方改革」を提唱したことだ。
実際、日本企業の生産性はスペインやイタリアにも劣り、先進国で最低レベルまで落ち込んでいる。たくさん働いているのに、稼げなくなっているのだ。
いったいなぜ、日本は生産性が低くなってしまったのか?
じつは日本企業は、旧日本軍と同じ失敗をしている。
たとえば近年、日本企業はどこも「ワンオペ」が増えている。社員1人で膨大な作業量を何でもこなすシステムだ。しかし、各個人が孤立して仕事をしているため、組織全体の効率は追究できない。また、ノウハウを組織でシェアできないという致命的な欠陥がある。チームで効率よく仕事をやるほうが、圧倒的に強いのだ。
これは特攻と何ら変わらない。大局的な戦略をもたず、現場の個人に「がんばれ!」「なんとかしろ!」と精神論で負荷をかけ、一発逆転の局面打開を期待する……これでは勝利は望めない。
本書は、日本企業のどんなところが低生産性を招いているのかを具体的に指摘したうえで、「では生産性をあげるために何をすべきか?」を具体的に提言する。
本当の「働き方改革」はここにあり!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レモン
48
参院選が近いのと、絶賛転職活動中の身として気になるテーマ。なぜ給料が上がらないのか=企業の生産性が上がらないから=経費削減されたまま教育を怠り、チームではなく個人で生産性を上げようとしているから。要は経営者のマインドに因るのでは?いち従業員レベルではどうしようもないことが多すぎでは?と思ってしまった。とにかくまとめると、失敗を恐れずリスクを取ってガンガン投資し、成長産業を見つけてね、ということか。2022/07/04
西
20
うちの会社も働き方改革、残業は美徳ではない、的なことがこの数年言われ続けてきたけど、本当にやることは増えているのに人は増えず、かといって今の仕事をやらないわけにもいかず文句を言いながら続けている感じ。生産性を上げるためには社員のモチベーションをいかに上げるか、会社のため、というか同僚のために働いて貢献したいと思えるような会社にならないといけない。でもこれがなかなか難しい。社員にそう思わせるような社長がいれば一番簡単なんだけどなあ2019/02/03
templecity
14
昔のようにチームで人を育てるという働き方減っている。上級管理者でも一人仕事が多い。ある意味効率は良くなったが、スキルの伝承は無くなった。成果主義も結果的に人件費の抑制という目的が主となっている面もある。向上心を持ちモチベーションを上げるのが大切。サクラダファミリアも設計図無しで組み上げているが、石工職人の向上心を刺激したところは大きい。無能なものを重要ポストにつけてはいけない。 2021/06/12
はる坊
14
タイトルの通り、日本の会社の生産性の低さの理由を解説した本。 投資が少ない、少子高齢化、教育機会の減少等様々な理由はあるが、一番は会社全体で生産性を上げようとせず個人任せになっているところが多いところだと思う。 企業は、個人でするより人が集まった方が効率的で生産性が上がるからというのが大きな設立要因なのに、ワンオペ化や成果主義で個人単位で着目することが多いと思う。 そこを改めることが、生産性を高める最重要項目だと僕は思う。2020/08/14
まゆまゆ
13
生産性向上のためには組織的な対応が求められるはずだが、個人に対応が丸投げされているのが現在の日本の現状ではないか、と問う内容。デフレを脱し、今こそ未来に向けて投資を増やすべきだが、節約で利益を積み上げてきた成功例からなかなか抜け出せない企業が多い、との指摘には納得。しかし生産性を上げるためには結局個人の力に頼るしかない……という結論はいかがなものか……2019/06/04