お城の人々

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お城の人々

  • 著者名:ジョーン・エイキン【著】/三辺律子【訳】
  • 価格 ¥2,600(本体¥2,364)
  • 東京創元社(2023/12発売)
  • 梅花ほころぶ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~2/9)
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  • ISBN:9784488011307

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内容説明

人間の医者と呪いにかけられた妖精の王女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の不思議な絆の物語「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハーブと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全10編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集、第3弾。/【目次】ロブの飼い主/携帯用エレファント/よこしまな伯爵夫人に音楽を/ハープと自転車のためのソナタ/冷たい炎/足の悪い王/最後の標本/ひみつの壁/お城の人々/ワトキン、コンマ/訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

75
ディストピア・ファンタジー短編集。エイキンのファンタジーは大人の良質童話▽[ロブの飼い主]一途な犬[携帯用エレファント]荒廃した世界の人々は森に行きたい[よこしまな伯爵夫人に音楽を]鈍感な教師[ハープと自転車のためのソナタ]修業後の会社に居残ってはならない[冷たい炎]死んだ友人からの電話[足の悪い王]〈最後の家〉に向かう家族ドライブ[最後の標本]標本を集める少女の秘密[ひみつの壁]自転車で山に向かうコウムイン[お城の人々]医者[ワトキン、コンマ]水車小屋の秘密の部屋▽死の匂いがしつつも愛を感じる物語10編2024/02/24

アナーキー靴下

62
ああもう本当にエイキンの文章好きだなあ。訳者の方にも感謝しかない。何でこんなに短い文章に意味を持たせられるんだろう。といってもその筆致は線のような緻密さではなくて打つべく場所に打たれた点を辿っていく感じ。言葉を受け取った相手が想像する世界がエイキンには見えているの? と不思議で仕方ない。収録作品もどれも良かった。既読は「お城の人々」のみかな、でもがっかりどころかこれは何度読んでもいい。「ロブの飼い主」、少女と犬、物語としては王道な展開だと思うけれどエイキンの手腕で心をがっつり掴まれる。2024/07/05

九月猫

25
短編集3巻目。さまざまなタイプのファンタジーで、想定外の展開に驚くことも。 「携帯用エレファント」タイトルも世界設定もいい。文字が言の葉という葉となり、森に入って集めるには諸々の条件と手続きが必要。サラッと描かれているだけなのが勿体ないというか贅沢というか。もっと長い物語で読みたい。 「ハープと自転車のためのソナタ」と「ワトキン、コンマ」は幽霊譚だけど優しい着地。同じく幽霊譚の「冷たい炎」は……思わず苦笑い。 表題作は現代が舞台だけど、昔ながらの民話やおとぎ話のようで私の好きなエイキン。2024/02/01

信兵衛

19
明るくあれ、暗くあれ、どうあっても可笑しみがある。そんな処がエイキン短篇集の魅力です。2024/03/08

バニラ風味

11
現代といにしえの世界は、時々、交差する。それは、偶然か必然か。不気味にも思える、その世界は、時には非情、時には暖かい。双方は、相いれないのだけれど、でも、現代の人たちの心に、何か不思議な余韻を残すのだった。10の短編集。「ワトキン、コンマ」のお話が一番好き。2024/03/08

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