講談社文庫 奥様多忙

著者名：源氏鶏太【著】

講談社（2019/01発売）

• ISBN：9784061834637

内容説明

いいなずけを嫌って家出して、東京の義兄の家に転がり込んだ現代娘・悠子さんの周辺に起こる、波瀾の数々。オフィス・ラブの誘惑に揺らぐサラリーマンたち、亭主の横暴に業を煮やした夫人たちの主婦連盟の結成など、いつに変わらぬサラリーマン家庭の悲喜劇を、見事に描く。恋あり涙ありの傑作ユーモア長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[カノープス]

昭和のサラリーマン家庭のドタバタを描いたユーモア小説。女性の口調、物価や給与水準、結婚観などにおそろしいまでに時代を感じる。ここに展開されるご都合主義の物語や男尊女卑的な価値観は、【こんなものを書いて流行作家として売れていたのか】と驚きを持たれるかもしれない。令和から見る昭和の世の中は、かくも危なっかしいのだ。そこに批判的視点が生じるかもしれない。今のナイーブな世の中では。自分はただの小説として楽しむだけである。この時代を経て今がある。それ以上でもなし、それ以下でもなし。

2025/06/30

[まほろば]

ふふふと笑えるお話し。昭和30年ごろの話のようで、電話も取次でお給料も3万円の世界。けれど昔も今も結局夫婦間で問題になるのはやはり家事や異性関係など変わらず。なんだかんだと夫婦仲もよく読んでいてほのぼのした気分になる。

2019/06/03