小学館文庫<br> 緑と赤

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小学館文庫
緑と赤

  • 著者名:深沢潮【著】
  • 価格 ¥759(本体¥690)
  • 小学館(2019/01発売)
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  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094066012

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内容説明

ふたつの国の狭間で揺れる、迷う、恋をする。

二〇一三年の夏、在日韓国人の大学生・知英はパスポートを取得した。表紙の色を見て、改めて自分の国籍を意識する。町ではヘイトスピーチのデモに遭遇し、戸惑う。「なにじん」なのか、居場所はどこにあるのか、友人と分かり合えないのはなぜか。自分に問い続ける知英は少しずつバランスを失っていく。K‐POPファンの梓、新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン、ヘイトスピーチへの抗議活動に目覚める良美、日本に帰化したのち韓国で学ぶことを選んだ龍平、そして知英。ふたつの国で揺れる五人の男女の葛藤と再生を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Takanori Murai

23
在日韓国人。日本に帰化した元在日韓国人。韓国人に好意を寄せる日本人。日本で学ぶ韓国人。何のわだかまりもなく関係を築きたい人々に、歴史が架した重い足かせは今でもはずれない。切ない思いをする若者たち。文在寅さん、安倍晋三さん、未来の若者たちから足かせをはずしてやってはくれないか。2020/01/12

Satoshi

9
韓流ブームとヘイトスピーチが混在している中で在日韓国人、ヘイトカウンターの女性、日本に留学した韓国人と帰化した元在日韓国人が語り手となり、ストーリーは進む。物語の軸に韓国人へのヘイトがあり、日本人として恥ずかしくなるが、在日特権を許さない会なんて団体が現実にあった。2023/06/22

lily

9
海外旅行に行くことをきっかけに在日コリアンを強く意識することになった金田知英と、その友人をめぐる物語。彼女の本名キム・ジヨンが『82年生まれキム・ジヨン』と被ってドキっとしたが、生きづらさに悩むという点では知英も同様である。生まれも育ちも日本だが、故郷は韓国。帰属意識を求める思春期に葛藤は続き、新大久保のヘイトスピーチに遭う。友人のジュンミンと梓の恋愛は狭量な価値観に阻まれたが、国籍だ政治だといった大袈裟なことからでなく、その人がどうなのかという個人のつながりからその国を見たい、と強く感じる。名著。2021/06/13

YOUCO19

6
表題の緑と赤はパスポートの色のこと。パスポートを取り寄せて初めて知った自分の出自。実は在日韓国人だった知英。ヘイトスピーチが騒がれだしたのはいつ頃からだったか。国籍のことなど意識しないで暮らしていけるのは平和だからこそ。これは韓国のことを考えるきっかけとなる6つの連作短編。多くの人に読んでほしい。新聞に出ていたお勧め本。2019/12/23

れうしあ

4
赤と緑はパスポートの色。在日韓国人の彼女は自分が韓国人であることを誰にも打ち明けず、意識さえせず生きてきた。友人はK-POP好きの女の子。打ち明けると、意識をすると、狂い始める。韓国人留学生、ヘイトデモと戦うおばさん、同じ在日だが帰化した上で韓国で学ぶ男性、様々な視点から、日本と韓国の間で生きる人々の暮らしが描かれる。国家と個人を切り離して考えるのは存外難しいことかもしれない。しかし国籍に関わらず個人を尊重することはできるはずである。2020/05/17

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