岩波文庫<br> カント実践理性批判

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岩波文庫
カント実践理性批判

  • ISBN:9784003362563

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内容説明

『純粋理性批判』において認識原理の批判を行なったカントは「第二批判」とよばれている本書において道徳原理の批判を主題とする.義務のための義務を説いた崇高な道徳観が厳密な論理によって展開されているばかりでなく,その行論の間にこの哲人の深い人間洞察をうかがうことができる.倫理学史上の不朽の古典.

目次

目  次
   カント「実践理性批判」改訳版について

 序

 緒論 実践理性批判の構想について

 第一部 純粋実践理性の原理論

 第一篇 純粋実践理性の分析論
  第一章 純粋実践理性の原則について
  第一節 定  義
  注
  第二節 定  理 一
  第三節 定  理 二
  系
  注 一
  注 二
  第四節 定  理 三
  注
  第五節 課  題 一
  第六節 課  題 二
  注
  第七節 純粋実践理性の根本法則
  注
  系
  注
  第八節 定  理 四
  注 一
  注 二
  一 純粋実践理性の原則の演繹について
  二 純粋理性がその思弁的使用においてはそれ自体不可能であるような拡張を、その実践的使用においては為し得る権能について
  第二章 純粋実践理性の対象の概念について
  純粋な実践的判断力の範型論について
  第三章 純粋実践理性の動機について
  純粋実践理性の分析論の批判的解明

 第二篇 純粋実践理性の弁証論
  第一章 純粋実践理性一般の弁証論について
  第二章 最高善の概念規定における純粋実践理性の弁証論について
  一 実践理性のアンチノミー
  二 実践理性のアンチノミーの批判的解決
  三 思弁的理性との結合における純粋実践理性の優位について
  四 純粋実践理性の要請としての心の不死
  五 純粋実践理性の要請としての神の現存
  六 純粋実践理性一般の要請について
  七 一方では実践的見地において純粋理性を拡張しながらそれと同時に他方ではこの同じ理性の認識を思弁的に拡張しないということがどうして考えられ得るのか
  八 純粋理性の必要にもとづく意見について
  九 人間の認識能力は人間の実践的規定に巧みに釣合っているということについて

 第二部 純粋実践理性の方法論
   結 び
   解 説(篠田英雄)
   索 引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

28
ルソー、スピノザは人間は感性的動物であり、前者は憐みの心で他者の利益を、後者は他社の獲得に自己利益を預かるとして人の為に為すとする。しかし、カントの場合は人間には理性から道徳を生み出し、自分の損得ではなく、自分が為すべきことを考えて行動するという。認識論と倫理学が絡む『純粋理性批判』を読んでいないのは失敗でした(・_・;)難しいです。しかし、思考実験では入院している友人に対して「やらねばいけなかったから見舞いに来た」ということへの道徳性についての疑問が投げかけられる。2013/07/14

ドン•マルロー

22
カントの純粋理性批判に次ぐ批判書。神と最高善との関係について述べた項が印象的であった。しかし、それ以外の大部分の箇所は、不可知という虚無の中へとおしなべて没していったのであった……2017/12/21

壱萬参仟縁

17
1788年初出。巻末解説から読む。 純粋理性は一切の経験的なものにかかわりなく 直接に意志を規定し得ることを証明する(325頁)。 尊敬(Achtung)は感情、極めて特異な感情である(334頁)。 敬語の意味をも再考させられる。 但し、尊敬は、快(傍点)の感情では ない(傍点)から、いやいや尊敬せざるを 得ない場合がある(162頁)のは否めない。 欲求能力とは、存在者が表象を介して表象の対象を実現するための 原因となり得る能力(傍点、一部略、27頁)。 2014/03/26

テツ

16
「あなたの意志の格率が常に同時に普遍的な立法の原理として妥当しうるように行為せよ」定言命法。善なる行いに快楽を感じてはならない。ただただ善を為すこと。人間が到達することは絶望的だと思えるカントの道徳観。現実的ではないけれど物狂いのように道徳的にあろうとするカントの思考は必読であると思う。読後には軽々しく道徳だの善だの口に出すのが躊躇われてしまう。2017/06/10

CCC

14
幸福と最高善とは無関係だと言う主張に思えるが、それでいいのだろうか。しかしそんな最高善は人間に必要なものなのだろうか。神の存在も、特に必要ではない最高善を、どうしても肯定するために要請されたものに思えた。2018/01/15

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