内容説明
ついに柳美里が演劇の世界へ戻ってきた!20年の時を超え「青春五月党」が再始動。表題作&新作戯曲「町の形見」に加え、福島を舞台にした「静物画2011」「窓の外の結婚式」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
293
柳美里の演劇作品を3作(ただし「静物画」は、女子版と男子版の両バージョン)収録する。いずれも2011年3月11日の東日本大震災に深くコミットするものである。柳は、これらの劇で(とりわけ「町の形見」では)演者たちにライヴ感を強く要求しているように思われる。すなわち3.11は、すでに過去であり、過去の出来事であるのだが、柳の中では(あるいは当事者たちにとっては当然)それは終わったもの(既に完了したもの)ではなく、今も抱え続けるもの(「べきもの」とは言わない)なのである。2025/03/13
starbro
140
柳 美里は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。小説かと思いきや、福島を舞台とした戯曲集でした。やはり文章で読むよりも、舞台で観たい気がします。2018/12/28
aloha0307
25
美里さんの震災をテーマにした戯曲集でした。演劇を創作している若い役者たちが被災者に体験を聞く、そんな構成です。登場する被災者役は実在の被災者(おじいちゃん&おばあちゃん)。役者たちに自らの人生来し方を語り(それまででも壮絶な人生です)、そして3月11日とその後の日々を訥々と...すると、その戯曲舞台は、台詞なのか被災者の真の内面なのか、また若い俳優たち(被災者の過去遥かを演じる)の反応も演技なのか、本音なのかわからなくなってきます~それだけに臨場感さらに↑です。2019/02/02
minazuki
18
東日本大震災後福島に移り住んだ柳さんが、地元の人たちと上演した芝居の戯曲と挨拶文。演劇にうとい私には、戯曲というのはわかりにくいのだが、柳さんがここでやろうとしたことは、わかるような気がする。避難生活の中で沈黙を通している人たち。「沈黙の中から感情を救い出し、言葉を揺り起こすことができるのは、自分自身の声しかないのではないかー」芝居を共に作る過程で、彼らは「声を発することによって、自分を解き放った」そうして出来上がった芝居の戯曲集である。2019/02/17
sk
5
震災文学。とても切なく心揺さぶられた。2021/01/03
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