講談社現代新書<br> 内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで

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講談社現代新書
内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで

  • 著者名:倉本一宏【著】
  • 価格 ¥957(本体¥870)
  • 講談社(2018/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065141892

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内容説明

古代国家はいかに建設され、中世社会はいかに胎動したのか?倭王権に筑紫磐井が反乱を起こした理由は?蘇我馬子と物部守屋の国際的な路線対立とは? 古代史上最大の戦乱「壬申の乱」勝敗の分岐点は?桓武天皇の「征夷」を生んだ国家観「東夷の小帝国」とは? 天慶の乱はどのように中世へと時代を転換させたのか?――古代の戦いから日本のかたちが見えてくる、画期的な一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

36
『承久の乱』から『応仁の乱』まで新書で歴史を読み進め、ここで古代の戦乱に時代を遡る。最初は戦乱に焦点を絞らず、古代国家と外国との関係に言及。邪馬台国が九州に所在したという著者の見解に同意。日本は、天孫降臨を背景にした天皇制を拠り所にして、「前九年後三年の役」まででさえ、天皇家に取って代わろうとした者が現れなかった不可思議さに、改めて驚いた次第。2019/08/02

獺祭魚の食客@鯨鯢

32
日本列島は異民族に蹂躙されるなかったため、天皇制という世襲王権制を千年以上続けることができました。天皇は政治権力の源泉として「利用」価値があったためにその存在を抹殺されずに存続することができました。 初め貴族が政治差配する間は平和でしたが、武士という「暴力集団」が政権を握る時以降は権力の争奪は専ら殺戮でした。彼らの切腹といった風習は逆に「武士道」の一つとして美化されました。 大人しいと言われる日本人の心の中に、時折爆発する暴力的な気性の荒さが潜んでいることにとても奇妙な感じを覚えます。2019/03/31

kk

27
後三年の役までの内乱を辿りながら、我が国の成立から中世前夜に至るまでの歩みと変貌を概観。それぞれの内乱の背景や当事者の思惑などについて、著者の鋭い考察が光ります。が、新書だからか、あまり実証的な論旨展開ではないので、それがどの程度当を得ているのか判断の仕様がなくてちょっと残念。それから、特に壬申の乱など、内乱の推移の記述にはかなりの気合いが入ってますが、ろくな地図が附されていないので、筆者のせっかくの努力が伝わりにくくなっています。これは編集上の課題。改版する際には是非とも何とかして欲しいもんです。2019/09/17

サケ太

23
こりゃおもろい。『対抗勢力を殲滅せずに温存するという曖昧な決着方式が、日本の歴史を通じて見られる特色』。古代の“内乱”を追うことが出来る。様々な争乱の実際や後世に遺した意味合い。これらの戦いが自力救済(=暴力主義)を旨とする中世国家の形成期という考え方は興味深い。『日本古代は対外戦争のみならず、内戦も少なく、その規模も小さかったことが、とりあえずは確認できたものと思う』。そこから、残虐性を増していった後の時代。“何故”という疑問が残る。2019/04/06

22
諸国と比べ、古代において戦乱は異常に少ないという観点から、内戦を通じて古代史を追った本。壬申の乱の戦後処理も敵への処罰は温情あふれるものだったが、武士の世が近づき、後三年の役ともなると女子供皆殺し、鋸引き、舌を抜いて木に吊るし主君の首を踏ませるといった陰惨なものになっていき、それが近代の対外戦争においても続いたという主張。磐井の乱や天慶の乱等取り上げられた戦乱の説明は図表も多くわかりやすくてよかった。王権まわりはいつもどこもドロドロしてて、支配地域が広がるにつれて戦乱が多くなるだけではとは思ったけども。2019/04/03

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