内容説明
早く死に別れた生母を思い求めることに始まり、一族のさまざまな生き方、在り方を、時代、社会、歴史とのかかわりにおいて捉え、言葉の、高い緊張の世界に、鮮やかに凝集した、江藤淳渾身の力作。深い感動を呼びおこす名篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AR読書記録
2
結局第二部が書かれなかったということで、消化不良感。あと、根本的なところで、私は家族・一族・故郷などへの帰属感が多分相当希薄なので(また「幼い頃に母を喪う」という経験への想像力にも欠けるので)、著者の気持ちに添うていけないと感ずることが多い(亡くなり方も知っているだけに、存在における他者への依存の高さが気にかかったりとかね)。てな感じなので、ひとまずは歴史物として面白く読んだ。藩閥抗争としての明治維新やその後の(それなりに現在まで続いてんだよな)政府という見方とか、鎖国状態からの国際社会への適応とか。2017/09/14
ピラックマ
1
著者の代表作であり、名作である。骨太の歴史物語であると共に揺蕩う昏さ、叙情、どこかほのかなユーモアもあり読み応えたっぷり。ただ、40男(当時)が何でもかんでも自分に(都合よく)引きつけてここまで自分探しに必死なのは理解できんです。2019/08/20
コホン
0
薩長同盟について確かに真剣に考えたことがない、と気づかされた。近代日本史が嫌いなのもあるけれど、ここまでエゴが絡んでいたのか、と思うと、無関心もよくないなぁと思った。2015/03/25
ユウキ
0
クソ長い2023/09/26