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内容説明
19世紀後半に西洋を熱狂の渦に巻き込んだ日本ブーム。そのインパクトは新たな美意識へとヨーロッパ人を開眼させた。印象派の画家たちは浮世絵の表現に西洋絵画の伝統にはない斬新な表現法の可能性を見いだし、色彩法、空間処理、線の技法など、「モダンアート」と称される、現代にまでつながってゆく表現法をその影響の元に生み出した。「近代」の感性を生み出した源流の一つとして、「日本」の存在を再評価する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
58
日本から西洋、西洋から日本という文化の双方向性、絵画における具体的な技巧上の影響検証など、読みどころが多く、実に興味深かった。2018/12/24
ophiuchi
13
モネを始めとする印象派の画家たちが、日本文化の影響を受けていたことは知っていたが、扇子や団扇がヨーロッパに大量に輸出されるなど、ジャポニスムが広く庶民に広がっていたことは知らなかった。2019/06/11
さとうしん
8
19世紀中頃から20世紀初頭にかけてモネやゴッホらの絵画に影響を与えたジャポニスム、その展開や影響の詳細を語る。絵画だけでなく扇子や団扇といった工芸品への注目、ジャポニスム愛好者に女性が多かったことの影響、ジャポニスムは単独の河川のようなものではなく、モダンアートなどと同様の当時の西洋画壇の海流のようなものであったこと、色彩・構図・線といった技法面での影響の詳細、そして日本画壇への環流など、総合的な概説となっている。2020/03/10
ポメ子
6
19世紀に西洋絵画に新しい価値観をもたらしたジャポニスム。 それがどのような影響を与えたか線、色、空間などから考察されている。 またジャポニスムに影響をうけた、アール・ヌーヴォー、そしてまたそれが、日本文化に還ってくる過程も知ることが出来た。2019/09/19
nnnともろー
5
絵画だけではない、広い裾野を持つジャポニズム。これまでの見方がガラリと変わった。2019/09/03