- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
芝居の達人、人生の達人──。2018年、惜しくも世を去った名女優・樹木希林が、生と死、演技、男と女について語ったことばの数々を収録。それはユーモアと洞察に満ちた、樹木流生き方のエッセンスです。
〇モノを持たない、買わないという生活は、いいですよ
〇人の人生に、人の命にどれだけ自分が多く添えるか
〇欲や執着があると、それが弱みになって、人がつけこみやすくなる
〇子供は飾りの材料にしないほうがいい
〇アンチエイジングというのもどうかと思います
〇人間でも一回、ダメになった人が好き
〇もう人生、上等じゃないって、いつも思っている
〇女は強くていいんです
〇つつましくて色っぽいというのが女の最高の色気
〇最期は娘に上出来! と言ってもらいたい
【目次】
はじめに
第1章 生きること
第2章 家族のこと
第3章 病のこと、カラダのこと
第4章 仕事のこと
第5章 女のこと、男のこと
第6章 出演作品のこと
喪主代理の挨拶 内田也哉子
樹木希林年譜
出典記事一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
629
この夏、機内で観たふたつの映画『日日是好日』と『万引き家族』の影響というわけでもないのだが、気になっていたこちら。エッセイではなく、彼女の名語録とでもいうのだろうか。モノに執着しない、というのは羨ましいことではあるものの、わたしには無理。欲や執着があるとそれが弱みになる、もけだし名言(でもわたしには無理)。そしてアンチ・アンチエイジング(勝手にわたしが命名)も無理。まぁわたしもあと10年は好きなように生きて、その先は「後始末」に勤めるようにしよう。巻末に添えられた彼女の映像作品を片っ端から観たくなった。2019/08/13
starbro
611
さいたま図書館では予約数が400件超ですが、千代田図書館では新刊コーナーに配置直後だったため、Luckyなことに一番手で借りられました。樹木 希林は、TVの全盛時代のイメージが強く、何十年にも渡って観てきた女優なので、同時代性を感じます。一方、映画はあまり観ていませんが、最近の「万引き家族」は観ておいて良かったと思います。これだけユニークで個性的な女優は、もう現れないかも知れません。2019/02/15
bunmei
409
樹木希林さんが遺した名言、苦言、妙言をまとめた一冊。私の年代では、沢田研二のポスターに向かって「ジュリー!」と叫ぶのが印象的ですが、その後は、映画界における様々な日本の女性を演じてきました。また、旦那の内田裕也さんとの関係のゴシップも色々ありました。本作の「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気で生きればいい」という言葉からも、悟りを開いた尼さんのような生き方と共に、晩年は、病との闘いの中で「それもまた運命」と受け入れて、最後まで役者人生を貫いた、女優・樹木希林の生き様が伝わる一冊です。 2019/03/24
ehirano1
359
かの大女優の生き方が心に染み渡りました。「いつも『人生、上出来だわ』と思っていて、物事がうまくいかない時は『自分が未熟だったのよ』でおしまい」が強く印象に残りました。しかし、これが自然体ってのは有能過ぎ!2025/08/01
やすらぎ
344
一回でもダメになった人が好きなんです。底辺や痛みを知っていて、多様に変化できるんです。前向きで深く、ユーモアを添える樹木希林さんの心に沁みる言葉。…しっかり傷つきヘコんだりすれば、自分の足しや幅になる。幸せは常にあるものではなく、自分で感じて見つけるもの。…自由に生きているように見える人が、重いものを抱えていたりするから。人生ってそういうもの。人間の美しさって、それぞれに、ときどきにあると思うんです。…人は人。私は私。おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい。求めすぎないでね。一切なりゆき。2021/12/03