中公新書<br> 帝国議会―西洋の衝撃から誕生までの格闘

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中公新書
帝国議会―西洋の衝撃から誕生までの格闘

  • 著者名:久保田哲【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 中央公論新社(2018/12発売)
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  • ISBN:9784121024923

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内容説明

1890年11月、貴族院と衆議院からなる帝国議会が誕生した。ペリー来航後、強く主張される「公議」「公論」による政治の一つの到達点である。
体制の安定を第一とした伊藤博文ら政府と、早期設置を求める板垣退助ら自由民権運動の角逐のなか、政府は1881年に9年後の議会開設を約束した。今も昔も政治の世界で9年後の約束が守られることはほとんどない。だが明治政府の面々は、自らの権力を失ってもなお、公議実現のため議会開設を志向し、実現する。
本書は、西洋で200年かかった議会が、どのようにして明治維新から約20年で創られたのか、帝国議会に関わった人々の構想と試行錯誤の軌跡を追う。憲法制定と並ぶ近代日本の一大事業の全貌を明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

26
若手政治史学者による、日本帝国議会開設までの歴史をかなり丹念にまとめた書。「公議政体」から起こす幕末期の記述にはやや疑問点もあるが、維新以後の流れは要を得てしかも密な部分もあり、特に明治14年政変以降の憲法制定過程や自由民権運動の展開はよくまとまっている。帝国憲法については、ともすると現代的感覚からその君主制の強さが批判的に書かれることが多い(高校教科書にもその傾向あり)が、様々な政治的軋轢の中で、時代の趨勢を見極めながらのものであり、やはり当時としては画期的と肯定的に評価する姿勢には大いに賛同できる。2018/07/07

Tomoichi

22
五箇条のご誓文に始まる日本に於ける合議制・民主性がどのように受け入れられ、どういう過程を経て帝国議会という形に結実したかを丹念に追っていく。私の子供の頃は、簡単に否定されていた戦前の議会制度だが大人になり自分で本書のような本に出会い読めば先人達の悪戦苦闘を知り、如何に歴史を知らないイデオロギーに犯された連中に嘘八百を教えレレていたかとつくづく思う。イデオロギーから解放された時代に感謝。2024/07/07

軍縮地球市民shinshin

13
若手政治学者による帝国議会開設史。幕末の「公議」論から筆を起こしているのも良い。日本における議会の源流は熊本藩士・横井小楠、土州脱藩の坂本龍馬あたりから始まる。特に小楠の業績は特筆されるだろう。中高の日本史の授業では、自由民権派中心の史観で、それに押し上げられる形で渋々政府が帝国憲法発布、帝国議会設置をしたという説明だが、本書ではそれがまったくの誤りであることが分かる。議会構想はすでに大久保利通らが明治2年頃からあったのだ。また帝国憲法が当時としては議会に大きな権力を持たせていたことも指摘されている。2018/11/17

さとうしん

10
幕末の「公議」の主張から第一議会閉会までの帝国議会開設史。大日本帝国憲法に議会の役割として「協賛」の語が用いられた経緯、元老院の果たした役割、そして当初は元老院がスライドして上院となると見られていたが、結局閉院に至ったという経緯などを面白く読んだ。2018/06/25

MUNEKAZ

9
第一回帝国議会開催までの道程を追った一冊。親藩・外様の藩主から中下級藩士・公家まで、幕藩体制で国政への関与を封じられていた人々による「公儀」の完成が明治維新ならば、元勲たちの政党を警戒しつつも一貫して議会開設には前向きという姿勢も納得というところ。面白いのは帝国議会開設前に存在した元老院についても大きく扱っている点。全くの無より上からの押しつけで議会が生まれたのでなく、そこに至るまでの短いながらも蓄積があったことがわかる。2018/08/08

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