内容説明
お金がなくても地域のつながりや、人情味あふれる商店街があって幸せ。「ALWAYS三丁目の夕日」のような世界が地方にはまだ残っている、というのは「東京の勝手な幻想=おしつけ地方論」にすぎない。格差・貧困・仕事などリアルな地方を見つめることで、日本の本当の姿、問題点が見えてくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
471
いわゆる「おしつけ地方論」に反論するかたちの今作。地方の閉塞感も都会の不自由さも知る身には興味深い内容。結局ひとには「地方に残れる(残らざるを得ない)」グループと「とっとと出ちゃう」グループに分かれるんだと思う。わたしの高校時代の同級生なんか見てるとつくづく感じる。どちらがいいかはまたさておき。ワーキングプアにある状況の人は貧困に慣れてしまう、というのが目ウロコだった。日本で暴動が起きないのはそのせいなのか。映画や小説を引用して考察するやり方もわたしの性に合っていた。2022/04/22
Willie the Wildcat
66
おしつけ地方論。現実逃避と政治的意図の結果?!頭に浮かぶ蔑視と軽視。概念は政治、イメージ戦略はメディアが担当という感。個々人に植え付けられる先入観と偏見。結果、これらを”前提”とする社会への転換?!否定できない暗喩が、薄ら怖い。反知性主義的志向とも言えるトランプ現象の是非は兎も角、大統領選挙に勝った要因の1つに繋がっている気がする。地方自治体の苦しみは、町つくり/観光振興/創業支援などにおけるコンサル募集が、昨今乱立している点でも感じる。一方、「新しい公共」を憂う著者の提言が読み取れなかったのが消化不良。2019/07/08
HMax
35
ショッキングな題名で食いつきましたが、衝撃度は少なめでした。結論は「旅行をして自分を観察する機会を作ろう」なのかな? グローバル化によって大都市に深刻な問題が生じているけど、地方はまだ大丈夫、という風に考えていてはだめですよという話が続き、最後はどういうわけか、すっかり忘れていた「新しい公共」の話がでてきます。海外にいると、東京も地方だと感じ、日本列島がガラパゴス諸島のように思えてしまいます。外から自分を観察するというのは本当に大事です。 映画「そして父になる」を見たくなりました。2022/06/29
おかむら
29
東京(都会)の人がイメージしてる地方暮らしの実際は。色んな映画「悪人」「そこのみにて光り輝く」「何者」「ソロモンの偽証」等から読み解いたりしてるのですが、わりとネタバレ気味なので、これから観る人には注意が必要。映画の話よりも岐阜の中高生の流行とかの著者の実体験エピソードの方が楽しい。2019/06/03
ステビア
28
地方は一枚岩じゃない2021/12/21
-
- 電子書籍
- 中島らもの特選明るい悩み相談室 その3…