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内容説明
いつか教養を身につけたい。事業に成功したい。そう願っていても、「準備ができてから」と、万事を先延ばしにしていると人生はすぐに終りが来てしまう。では、どうしたらいいのか? 学問でもビジネスでも、パフォーマンスを上げるために完全な準備が整うのを待つのではなく、むしろ未経験の分野への挑戦は見切り発車で始めるからこそ力がつくのだ、と著者は説く。自己利益と自己愛を冷静に見つめ、欲望から道徳を創るための「進みながら強くなる」方法を公開。 【目次】はじめに/第一章 死ぬまで上昇カーブで力をつける/第二章 正しく考える方法/第三章 日本人の道徳意識が意味するもの/第四章 日本人に必要な新しい道徳とは何か?/第五章 幸福のカギを握るシンプルな原理
目次
はじめに
第一章 死ぬまで上昇カーブで力をつける
第二章 正しく考える方法
第三章 日本人の道徳意識が意味するもの
第四章 日本人に必要な新しい道徳とは何か?
第五章 幸福のカギを握るシンプルな原理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
90
「準備ができてから」と先延ばしにするのではなく、見切り発車で始めるからこそ力がつく、と著者は説く。◆「しっかり考えろ」と言われる。しかし、何のために考えるのか? 答えは『自分にとって何が一番得になのかを知るため』だ。これが原点だ。これを徹底的に考えることによって実は『自分"だけ"が得する』からはどんどん遠ざかっていく。◆家族形態の違いが人の思考に影響する/直系家族→親の言う通りすればいい/核家族→子は自分で考える◆考える原則はデカルト➀全てを疑う②分けて考える③単純で分かりやすいものから④可能性は全て列挙2019/07/27
傘緑
38
書痴の病は嵩じることはあれ治ることはない。鹿島茂の夥しい著作の発端はその末期症状の一つ、借金地獄をなんとかするため。そんな経験則から語られる「正しく理解された自己利益(トクヴィル)」による見切り発車の「すゝめ」。「亡くなった文化人類学者のYさん…学問においても実生活においても『ドーダ』を連発した人でしたが、あまりにそれが子どもっぽいドーダだったので、稚気愛すべしということであまり憎まれることがありませんでした」これイニシャルにする意味ありますかねwこれだけで特定できてしまうY口昌男、まさに「稚気愛すべし」2017/09/22
壱萬参仟縁
30
本当に考えることは、答えがないことについて考えること。日本の学校では、覚えることは教えるけれど、考える方法については教えない。考える方法は問いを立てる方法を学ぶことに始まる(66頁~)。正解のない入試問題を造ると、予備校、高校から文句が出る。文科省の指導が入る。このような事態を回避するために、学校と受験産業は文科省の顔色をうかがう(学習指導要領の範囲内で指導)。だが、このことを諸外国からすれば、どう思われるか? 2015/07/22
さきん
23
トッド氏の解説が日本一分かりやすいので、良く読むようになった。直系家族から核家族化してる日本において、道徳の筋立てが変わり、葛藤が深まっている。ウェーバーの資本主義の精神を陰のドーダ、高いものを買ってドヤするのを陽のドーダーとし、双方が補完しているという説は新鮮だった。また、資本主義の発達を面倒の回避と見立てたり、パンセを読み解いて、超富裕層の稼ぐ動機を考えてみたりと新たな視点をいくつか得られた。一方で均衡経済感からは抜けてないのでないかと思われる記述は見られた。2025/01/29
ふろんた2.0
21
執筆中に次の作品の構想を練っているというのは森博嗣も言ってたな。論旨は全て決めてから動くのではなく、見切り発車してから調整してもうまくいくよということ。前半は参考になるが、後半は専門外のところに踏み込んでいるので、それは他の人に任せちゃっていいのではとも思う。2016/03/09