内容説明
過去をリセットできるとしたらどうしますか。
ある日、作家の新居航生のもとに一通の書状が届いた。航生は、作家として5年前に出版した『もう一つの扉』が大ヒットを飛ばしたが、その後は小説を書いておらず、離婚して一人暮らしをしていた。書状は、タイムスリップを研究しているという、八木俊太郎という人物からだった。それによれば、ある程度ならタイムスリップが可能だという。可能なのは、過去へのタイムスリップのみで、未来は不可能。その過去も、当人が生きている時代に限られ、過去の自分自身に会えるわけではなく、当時の自分に重なることになる。そして、歴史を大きく変えるようなことを実行するのは不可能、ということだった。
自分が体験した小さな事実なら変えられる――。 考えた末に、実際に体験したことを雑誌に書くことにして、航生は八木の提案を受け入れタイムスリップを経験してみることにした。
航生は、中学生のときにいじめの標的にされたことがあり、航生は、この過去を変えようと思った。八木の運転で連れて行かれた部屋で八木と話すうちに、航生は、中二の文化祭会場である市民会館のホールの席に学生服を着て座っていた――。果たして、過去はリセットできるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
110
★★★★☆19009 いや〜、読了後は、「わぉーぅ!」って感じです。先が気になってページをめくる手が止まらない〜。本作品、過去に戻れるというタイムスリップモチーフなんですが、時空を超える原理や方法、その研究団体などが焦れったいほど明かされず、謎は募るばかり。主人公はスランプ中の小説家の男性で、悔いが残ってしまった学生時代にタイムスリップ!と始まります。さすが山本さんだけあって温かい結末だったのも好感が持てました。タイムスリップ系の話が好きな方には特におススメ!間違いなく「んがぁー!」と度肝を抜かれます。2019/01/14
紫綺
52
単行本にて読了。過去の失敗や後悔も、きっと現在の自分を育てた肥やしだったんだな。2023/05/06
うまる
27
異色のタイムリープもの。作家の元に届いた、過去へ戻る体験をしませんかという案内状。果たして本当なのか、詐欺なのか…。自分だったらどうするかなぁと思いながら楽しく読めました。時間物としては派手な展開がないですが、過去と向き合い、自分を見つめ直す男の物語として面白かったです。時期的に"クリスマス・キャロル"を思い出しました。実際にある時間物映画について色々紹介されていて、参考になったのですが、かなりネタバレになっているので、映画好きの方は要注意です。2019/11/25
けほんこ
21
読みましたー 非常に楽しかったです 真相に迫る場面では 先が読みたくて 読みたくて またなんだろ 着地点は 自らの生き方を 考えさせられるような 本当に 充実した読書体験でした 読みやすいし ワクワクするし ちょっと軽い楽しい小説を 読みたい方には すごくおすすめですよ 叔父体験者かと思ったのに そんな風な形で エッヂを出すのね すごい!2020/01/08
Kaz
14
思っていたとおりのオチで、やられた感は無かったのですが、タイムスリップを催眠術と絡めた手法には、説得力があり楽しめました。2020/07/14
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