内容説明
名器をあさり、名物道具を無上の贈り物とした武将たち。茶道は、武将の重要なたしなみの一つだった。それは智的レベルの高さを強調する手段でもあり、権力の象徴でもあった。弱肉強食の変転きわまりない社会機構の下で、武将間の離反確執の原因となったり、逆に時代の潤滑油となったりした例も多い。この書は、茶道が歴史に果した役割を興味深く解明するものである。茶道は歴史にいかなる影響を与えたのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りらこ
27
利休切腹以後がやはり読み応えあり。各章1人の武将を中心とし、茶道との関わり方を特に道具を通して述べられている。小説のようであり、調べられたことを抽出したエッセイのようでもあり。1つの茶入れを巡っておきた戦い。茶会は信長秀吉家康それぞれ為政者の許可制。武士の嗜みになりながら、奢侈に流れないようブレーキが内からかかる当時の武将が持つ精神との関わり。桑田先生は信長にも秀吉にも同じ目線。私は秀吉の圧政者ぶりはやはり好まないなと思いながら読んだ。利休についてが書かれているようで少ないようにも。然れど良書である。2022/01/02