内容説明
出征していた歌舞伎役者の紀上辰三郎は、復員後、彼を慕う弟弟子の香也と一座の再興を期す。一方、辰三郎の上官だった宮本は巣鴨プリズンに収監されたが、GHQ所属のリオンの訪問を受け、諜報組織への参加を条件に出獄。共産主義勢力の摘発に動く。民間情報教育局CIEは歌舞伎演目の制限を示唆し、梨園は存立の危機に立っていた。辰三郎はCIE懐柔に奔走するが。書下し長篇サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
74
終戦直後の混乱期、GHQ統治下の日本。日本人の価値観を覆そうと画策する勢力や共産主義勢力の台頭、封建的な演目であるとの理由で歌舞伎も存続の危機を迎えた。復員した紀上辰三郎は弟弟子の香也とともに歌舞伎界を守ろうとする。展開が遅く途中で離脱しようかと思ったが、終盤の展開で一気に面白くなった。ひたすら兄を思う香也が切ない。2020/05/08
Rin
50
終戦後の日本、そしてアメリカにいきる人々。リオンに宮本、辰三郎に香也。それぞれに譲れない物がある。混血としての立場、戦犯から守るもののため、新たに戦う人。歌舞伎を絶やさない為に、命をかける人。五條作品の味わいは残ったまま、いつもと異なる物語。この中で犯した罪が一番少ない香也、彼のひたむきな愛情、全てを受け入れた言葉が切ない。香也たちとリオン、アメリカと日本。混乱の時代に己の望むもののために、他の全てを犠牲にする覚悟を抱いて生きる彼ら。原爆の残酷さに、民主主義国家、古典歌舞伎。読んで良かった一冊でした。2019/08/13
み
23
がっつりなお話しでした。歌舞伎の存続に、敗戦後の日本、天皇の存在、どっぷり浸りました♪オススメです。2019/05/27
kei302
20
歌舞伎を愛し、兄弟子:起上辰三郎を慕う香也に未来がないことが哀しすぎる。戦後直後のことを殆ど知らなかったんだと実感した。2019/07/08
きなこチロル
6
終戦後の東京は何かも失くなったけど、そんな中でも信念を持って生き抜こうとした彼らがいた。歌舞伎の世界に生き、継承していく辰三郎と香也、新しい時代に置いていかれても守ることに徹底した宮本、アメリカに忠誠を尽くす日系人リオン。敬愛、誇り、苦悩…本当に彼らがいたのではと感じるぐらい熱量たっぷりだった。リオンを見ていると祖国って何だろうなと考えてしまう。シリーズ物らしいけど絶版している本があるのね…「生まれてくる世界は自分じゃ選べねぇ。神様が決めるんだからな」2019/01/14
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