THE LAST GIRL - ―イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―

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THE LAST GIRL - ―イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―

  • ISBN:9784491036175

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内容説明

イラク北部にあるコーチョという小さな村。少数派の宗教、ヤズィディ教徒たちが貧しいながらも日々を平和に暮らしていた。
しかし、忍び寄る紛争の影が、平和を少しずつむしばんでいく。
そしてついにあの日、イスラム国の一群による襲撃が行われた。そして待っていたのは、
自分のすべてを踏みにじられる、性奴隷としての地獄の日々だった――

戦争犯罪の被害者として、「武器としての性暴力」の実態の告発と根絶を訴え続けた著者が、筆舌に尽くしがたい自らの体験を、圧倒的な臨場感で語る。
イスラム国による他教徒への虐殺や性暴力・暴力の実態とは。
彼女が決死の覚悟で逃れ、イスラム国支配地域の現状を世界に向けて発信するまでに、彼女を支えた人々とは。

今、世界でもっとも注目されるノーベル賞平和賞受賞者の自伝、ついに翻訳刊行。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

140
クルド人達は今後、どうなっていくのだろう。フセインを倒す、アルカイダを殲滅する、ISISを解体させる…。そう世界が動く間に、クルド人問題はどう話し合われていくのだろうか。序文は、作者の弁護士となり、ともに国連で発言したアマル・クルーニー。 2019/12/23

のっち♬

136
ISISに家族を殺されて性奴隷として売られた著者。彼女たちの処女を奪うことは信仰や未来まで凌辱することであり、イスラム国は周到な企てをしている。本書は単なる体験記ではなく彼女を支え続ける精神の基盤となる家族や周囲との絆、信仰、価値観なども綿密に記載。序盤の花嫁殺しや非情な裏切りなどもそうだが信仰には不寛容も付き纏いがちだ。復帰を歓迎したコミュニティの即断は明確なアンチテーゼであり、ナーシルらの勇敢な行動は人間のモラルが秘めた力強い希望として輝いている。LASTへの鍵は戦争継続の麻痺から目覚めることからだ。2022/05/19

ゆみねこ

83
まず、ナディアの勇気に敬意を表したい。イラク北部の小さな村で穏やかに暮らしていたヤズィディ教徒たちが襲撃された。IS に囚われた女性たちを襲う悲劇。決死の脱出とその後の世界への発信。ノーベル平和賞受章でこの本を知ることができました。多くの人に読んで頂きたい。2019/04/10

どんぐり

82
「ほかの何よりも、この世界でこのような体験をする女性は、私を最後(ラスト・ガール)にするために」と記録された、2018年ノーベル平和賞受賞のナディア・ムラドの物語。イラク北部のコーチョの村で暮らす少数民族のヤズィディ教徒がISISの武装集団に襲われる。ヤズィディ教徒を殺すか、改宗させるか、住んでいる土地から追い出し、すべてを奪い取った末に消し去ろうとするジェノサイド、歴史は何度も繰り返してきた。ナディアの一家は、母親が処刑され、兄弟の6人が殺され、若い女性たちは拉致されモースルでサビーヤと呼ばれるISIS2019/02/10

sayan

82
武器としての性暴力、2018年ノーベル平和賞に関する報道で注目された言葉だ。数年前「長い歳月のあいだに人間の暴力は減少し、今日、私たちは人類が地上に出現して以来、最も平和な時代に暮らしているかもしれない(暴力の人類史)」と、著者のS・ピンカーは主張した。が、それは性的暴力で尊厳を傷つけられた本書著者ムラド(ノーベル平和賞)のような被害者に何ひとつ届くものではない。ムラドはイラクの少数派ヤジディ教徒で、テロ組織ISISから性的暴力をうけ抗った。平穏な日常が絶望となる過程を記した本書内容の壮絶さに言葉を失う。2018/12/25

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