内容説明
1920年冬、27歳の詩人は革命後二つ目の大作を書き上げる。ロシアの総人口数を表題とし、人々すべてが作者であるかのように詩人は印税を放棄し無署名での出版を企てるも、あろうことか《わるい雑誌を出す筈がない、国立出版所が》と後にうたうことになる政府出版局のサボタージュにあい、3通の抗議の手紙のやりとりの後、ようやく初版5000部が世に出る。アメリカはウィルソン、ロシアはイワン。両大国の間で戦われる20世紀のトロイ戦争を描く。日本翻訳家協会特別賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
32
訳者が急逝したので旧訳での出版。UKが誇る伝説的パンクバンド、ザ・スミスの名盤「クイーン・イズ・デッド」が聴きたくなるリズミカルな反逆。副題を添えるなら「ウィルソン(アメリカ合衆国第28代大統領)・イズ・デッド」しかない。白と赤の世界最終戦争はまるでデビルマン。1919~20年は善と悪が複雑に混ざった現代よりも倒すべき敵が明確だったのかもしれない。終盤にいきなり「ツシマ」という字が出てきて驚いた。日本海海戦の事らしい。あの歴史的なジャイアント・キリングにマヤコフスキーは未来への希望を感じたのか。痛し痒し。2016/02/04
保山ひャン
2
階段状の表記で進軍する長編詩。ラップかはたまたサウンドデモかと思わせる高揚感がある。撃つべし!2017/02/05
葛
1
ヴラジーミル・マヤコフスキー著 小笠原豊樹訳 2016年1月17日初版第1刷印刷 2016年2月17日初版第1刷発行 発行者:豊田剛 発行所:合同会社土曜社 用紙:竹尾 印刷:精興社 製本:加藤製本 定価:952円2021/09/29
May
0
パシフィックリム感。2016/05/08
ハルトライ
0
「いかにも」って内容っちゃあ、そうなんだが…。2016/04/02