内容説明
《ぼくの精神には一筋の白髪もない!》戦争と革命に揺れる世紀転換期のロシアに空前絶後の青年詩人が現れる。名は、V・マヤコフスキー。「ナイフをふりかざして神をアラスカまで追い詰めてやる!」と言い放ち、恋に身体を燃やしにゆく道すがら、皇帝ナポレオンを鎖につないでお供させる。1915年9月に友人オシップ・ブリークの私家版として1050部が世に出た青年マヤコフスキー22歳の啖呵が、世紀を越えて、みずみずしい新訳で甦る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
78
食べ物を焼く旨そうな匂いがする。駅前広場からテンポのよいヴァイオリンの調べが聞こえる。そんな宵の口の雑踏を歩きながら、ポケットからマヤコフスキーの詩集を取り出す。《お伽話のロケットでメフィストフェレスとつるんで、/天空の寄木細工を滑りまわる/ファウストなんかに用はない!/ぼくの長靴の釘一本のほうが、/間違いなく/ゲーテの幻想劇よりよっぽど恐ろしい!》。《小鳥は/歌で物乞いする、/飢えても声高く/歌ってる、/でも、おれは人間だ、マリヤ、/肺を患う夜がプレスニャ通りの汚れた手に吐き出した、/単純な男なんだ。》2018/07/17
まさむ♪ね
45
そのニヒルな眼差しに、ズキューン!イメージが定まることなくむくむくと無限に沸き上がってくる、その奇跡のようなタイトルに、ドキューン!止めは、《ぼくの精神には一筋の白髪もないし、/年寄りにありがちな優しさもない!/声の力で世界を完膚なきまでに破壊して、/ぼくは進む、美男子で/二十二歳。》だ・・・ズドーン!わたしの心は完璧に撃ちぬかれた。→2015/04/22
Y2K☮
38
再読。ちょくちょく詩の成分が足りなくなるので、絵本みたいに月イチで何かしら読む。の第一弾。即決でこれにした。表紙のデザインも含めて(どうもシド・ヴィシャスを連想する。似てないのに)一番清々しい詩集かもしれない。神すら恐れぬ支離滅裂。理屈も何も無い。のに伝わる。伝わるけど言葉に変換不能。多分するべきでもない。本物の詩は丸く収まる大人の商品ではない。最小限の枠内で好きに暴れりゃいい。時にパンクな詩はパンクな音楽を超える破壊力。そしてふと気づく。No Futureは「今を生きる」と同義だ。これぞ最高の人間賛歌。2017/11/02
シッダ@涅槃
26
【詩の部分のみ読了】序の部分で「美男子で/二十二歳」となんの屈託も宣言したかと思いきや、本詩では求愛と失恋と都市=群衆嫌悪が入り交じった混沌たるもの。そこに屈折が聞こえなくはないが、この振れ幅が若さか。地理ー歴史ー宇宙的なものも引っ張り込んでいるが、大袈裟な印象はない。好みです。ロシアは革命前夜!2019/05/05
cockroach's garten
21
出だしから怒涛の勢いを以って流れる激流のような詩。初期の長編詩なのでまだ少年らしい感傷が残った感じがある。特にマリアに対する彼のいじらしい懇願は、神をリアリズムの元愛したい。架空の存在として恭しく讃美するのではく、一人の女人として生々しく。マヤコフスキーの攻撃的なするどい比喩には衝撃と胸騒ぎを覚えた。こんな文章はマヤコフスキーにしか創れないし、操れない。そして読者は自然と読み返したくなるだろう。たとえ理解しがたいと思えど。2017/06/01
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