内容説明
レストラン業界のインテリジェンスとは。CIA(米国料理学院)出身の異色シェフ(なにしろ2冊の傑作犯罪小説の著者でもあるのだ)がレストラン業界内部のインテリジェンスをあばく。2001年に初版が出るや、たちまちニューヨーク・タイムズ紙がベストセラーと認定し、著者は自分の名を冠したテレビ番組のホストという栄誉を得(その後離婚と再婚もした)、料理のセクシーさに目覚めた(血迷った)読者をしてかたぎの職場を捨て去りコックの門を叩かしめた(という実例を私は知っている)、男子一生の進路をゆるがしてやまない自伝的実録。「月曜日に魚料理を食べるな」「グローバルのシェフナイフ一本あればいい」など、役立つ知見を含む極上の読み物を人気の野中邦子訳でおくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
39
LAコンフィデンシャルか、おっさん…と手に取り、もう笑いっぱなし。無茶苦茶きついですよ、ホント飲食の仕事!しかも変人ばかりでけんか多いのにそばには刃物。パトロンはさらに変人や危険人物の宝庫で、シャレにならない話は日本だってゴロゴロ転がってますよ、ええ。幼い彼が牡蠣を食べて魔法にかかったエピソードやヴィシソワーズの話に「ワカル」。私の最初の衝撃の味はオニオングラタンだった。あと、初島のイカソウメン。タスマニアの牡蠣、北京の豆乳、最近ではヴェンキのピスタチオチョコ。食べ物の魔法にかかったらもう抜け出せない…。2023/12/13
ジュール リブレ
26
有名シェフの裏話。ロックフェラーセンターのレインボールームの裏側が、ショックだったので、その前後の与太話はさくっとスルーできましたけど(*^^*)。途中、どこから、真面目にマトモに生きようと思ったか、を聞きたかっだけど、そのあたりもスルーで、残念でした。後書き直前の東京ミッションの章、なかなか。ここだけ読むってのもありかも。2016/04/28
mejiro
13
生い立ちから波乱の遍歴、プロの技、業界の裏事情を赤裸々に語る。シェフの一日が興味深い。スラングが飛び交う、戦場のようなキッチンの熱気と臨場感に圧倒される。なにより著者が自分の仕事に誇りと愛情を持ってるのが伝わってくる。また、客観的な態度が自慢話と本書を画す。彼は自らの経歴と対照的な、天才シェフが率いる整然とした職場を紹介する。どちらもすごいが、映像で見る機会がないぶん、著者のキッチンのほうが印象に残る。日本滞在記もおもしろい。これほど才能豊かな著者が昨年亡くなってたと知りショック。2019/01/09
Himiko
8
どうしてこの本を買ったのか覚えていませんが、食べることが大好きな私には、実におもしろい一冊でした。そして、この著者が自殺してしまったことがやはり考えられません。この本で知る限りの彼は、タフで、職人気質で、世の中の大概のことを乗り切れそうな感じです。アメリカのレストラン業界はおそるべき。南米の労働力もすごい。でも、これは日本やヨーロッパではありえないと信じてます。いや、面白かった!彼のTV番組もみてみようかな。。2018/11/19
イシカワ姐さん
8
食欲ってのは三大欲のひとつだからね。人間、欲が絡むと汚い部分も出てくるんでしょうね。2016/03/10
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