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内容説明
一時代を築いた伝説の雑誌『ガロ』。その看板作家として水木しげるが描き下ろした、軽妙洒脱な短編全36タイトルを一冊に! 単行本初収録となる「チャンピオンと晴着」や「赤八」の幻の未使用原稿、さらには水木が別名で連載していたエッセイ集「ロータリー」をも完全収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニッポンの社長ケツそっくりおじさん・寺
54
十代の頃、ちくま文庫で出ていた『ねずみ男の冒険』を何気に買って読み、はまって繰り返し読んだ。以来、水木漫画の中ではこの『ガロ』掲載の諷刺漫画が一番好きである。小学生の時は鬼太郎の再放送を楽しみに見て、中学生の時は『近藤勇』を繰り返し読んだのだが、諷刺漫画で独特なギャグ漫画家としての水木しげるに魅せられて本気でファンになった。本書の作品は繰り返し読んだものばかりなので、未読のものを拾って読んだが楽しい。三島由紀夫に批判された『新講談 宮本武蔵』も掲載。三島の言わんとする事も、今ならわかる。皆も読んで欲しい。2016/01/29
ぐうぐう
13
「ガロ」の掲載作品ばかりを集めた全集64巻。風刺の精神はいつものことながら、なんとも軽い作風に驚かされる。「イボ」のように夢オチもあれば、「カモイ伝」なんていうふざけたタイトルのものもある。「五円玉」に至っては、パロディものだ。「ガロ」という雑誌の持つ、シュールなイメージから自由でいようとする意志がそこからは感じられ、なんとも水木らしい。2015/08/22
Fumitaka
4
「……てなぐあいにこのイボが成長してくれんかなあ」(p. 24)「……てなぐあいにこの「夢の島」と「俺の貧乏」とが解決されねえかなあ……」(p. 296)最後に「うまい話はない」と冷水を浴びせる展開は、短編「雨女」と共通している。凡百の作家であればハッピーエンドを持ってきてしまうだろうが、安易な逃げを許さず戒めを残す姿勢が巨匠である。「新講談宮本武蔵」では旧約聖書のコーヘレトの書の冒頭が引かれており(p. 264)、作者の広い知識と、そして「一過性の幸福」への断固たる拒絶が垣間見える。2024/06/26
大臣ぐサン
3
1960年代『月刊漫画ガロ』に掲載された作品を中心に収録されている。当時、大先生は鬼太郎で妖怪ブームを巻き起こし、一躍人気作家の仲間入りをして多忙の日々を過ごしておられた頃だ。少年誌で子供向けの鬼太郎を描く傍ら、大人向けの漫画の普及に執心しておられる姿がありありとわかる。『ガロ』に掲載された作品群はマイナーながらも貸本漫画時代の作風を継承し、大先生の漫画の魅力が詰まっている。子供向けの漫画に対し大人向けの「劇画」を提唱する姿には当時の劇画ブームに大先生も一役買っていたのだと、改めて感心させられた。2015/08/10
○○○ ○○
2
風刺作家としての水木しげるの絶頂期はこの頃だったんだろう。「錬金術」「未来をのぞく男」の凡庸な未来への絶望とそれを誤魔化すための夢というテーマ、「剣豪とぼた餅」「闘牛」の過剰なまでのナレーションによる諧謔、「五円玉」のようなパロディまでどれも冴え渡っている。そしてそんな作品を連発しつつも「漫画の描き方」ではとてつもなく真摯に漫画家になるための心得、挫折に負けずひたすら泥臭く努力することを説いて、有望な若手による未来の劇画業界に想いを馳せている。まあ人間アイロニカルに振る舞っとけばいいという話でもないわな2015/08/04
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