内容説明
謎の多い国ロシアの実像を池上彰が解説。
「おそろしあ」という言葉がある。「恐ろしい」と「ロシア」を合体させた造語。
イギリスに亡命していた元ロシア軍のスパイの男性が毒ガスで殺されかかったり、国際紛争への介入を繰り返したり。
そんなニュースを見ると、「怖い国」と思いがちだがロシアにはそれなりの事情と論理がある、と池上彰は語る。
隣の大国でありながら、ロシアのことを私たちはどこまで知っているだろうか。
北方領土問題をめぐるロシアの言い分と日本の主張の食い違いは何か?
建国当初は世界の期待も大きかったソ連型社会主義はなぜ崩壊したのか?
今のロシアはソ連の時代と同じなのか、違うのか?
絶大な権力を握るプーチン大統領はロシアをどこへ持っていきたいのか?
ロシアという国の基礎基本から、今後ロシアがどのような方針を打ち出しそうかまで、渋谷教育学園渋谷中学校・高等学校、同幕張中学校・高等学校の生徒たちに行った渾身の授業をもとに構成。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
112
あの池上彰さんが中高生を対象に質疑を通して”ロシア”について解説。普通、あまり取り上げられない観点からの分析もあり、「なるほどね」と思うところも。もちろん基本的な事柄はしっかり押さえて大変わかり易い。KGB出身のプーチン大統領の生い立ちと絶対権力。「ソ連時代は、言論の自由はない。批判すると逮捕される。ロシアになってからは、言論の自由はある。批判してもかまわない。ただし命の保証はない。」とか(笑)。エリツィンの時代、どん底に落ちた経済が、たまたまの油価急騰により立ち直る。庶民はプーチンの手腕と思っている。2019/12/07
肉尊
46
以前、退職された先輩からかつてゴルバチョフが幽閉されていたクリミア半島の別荘の外観写真を見せてもらったことがあったが、ペレストロイカがソ連では失敗と見なされていること、保守派のクーデターに立ち向かったエリツィンがゴルビーを助け、絶大な権力を得たことなどソ連~ロシアの歴史と現状を理解するうえで参考になる一冊。池上説では、フルシチョフがウクライナの機嫌をとるためにクリミア半島をプレゼントした(p189)とあるが荒廃したクリミアの開発をウクライナに押しつけたとみなす説の方がしっくりくる気がする。2022/11/09
akihiko810/アカウント移行中
46
池上彰がロシアとはどういう国か、ソ連とは何だったのかを解説。印象度A 昨今のロシア・ウクライナ情勢を受けて読んでみた。さすが池上、わかりやすくかなり面白かった。ロシアは地政学的に、緩衝地帯を近隣諸国に置いておきたいというのがよくわかった。ロシア入門にはまず本書、と言うレベルのわかりやすさと面白さ。 本書は渋谷中学・高校での講義らしく、生徒の質疑応答がすごい池上さんについていって、物知りでかなり頭のいい中高生なんだなと思った。さすが渋谷中学2022/04/21
アキ
44
「渋谷教育学園渋谷中・高等学校、幕張中・高等学校の生徒たちに行った授業」を元にしたってどんなコネで池上彰を呼べたんだろう?いつもの如く基礎から現代までわかりやすく解説。でも目新しさはなかったな。いずれにしても安倍政権とプーチン政権が並び立つ今しか北方領土解決と平和条約解決にはならないんだろうな。高校生に質問してるけどほとんど正解していた。さすが偏差値高いだけある。それとクリスマスはロシア正教では1月7日なんだって。ほんと?2018/12/19
ミライ
42
池上彰さんの「世界の国と地域を学ぶ入門シリーズ」ロシア編。主に第二次世界大戦〜現代までのロシア(ソ連)の歴史をわかりやすく学べる。ロシアは大国(国の面積は日本の45倍で、人口は日本よりも少し多い)で、日本とは過去に大きな戦争もしているのだが、文化や歴史は(日本には)あまり知られていない、この本は時代のキーマン(ゴルバチョフやプーチン大統領など)・北方領土問題などの情報を中心に、政治・地政学的な情報も満載。2019/11/10