内容説明
事実を疑うことから、バイアス外しが始まる。
今日本には課題が山積している。私たちが思う以上に逼迫した問題が多く、世界からは「どうして日本人はそんなにのんきでいられるのか」と不思議がられることも多い。
「少子高齢化」「年金」「国防」「原発」「基地問題」「移民」・・・・どれもすべての日本人の未来に直接関わる問題であるにも関わらず、政府も社会も、解決どころか解決につなげる議論さえも先延ばしにしているように見える。
アメリカ出身で日本に長く暮らすパックンことパトリック・ハーランが、この国を愛するからこそ考えたいこれらの課題について、「日本の目」「世界の目」双方の視点から、データを基に解決に向けた提案をする。
そこで鍵になるのは、自分の中にある「バイアス」に気づくこと。「バイアス」とは、偏ったものの見方や、誤解や偏見にも繋がりかねない先入観・思い込みのこと。誰にでも「バイアス」はかかっており、そんな思考ぐせを外すことは簡単ではないが、「事実」をひたすらチェックし、その「事実」をまず疑ってみることが、「バイアス外し」の第一歩になる。
著者は、ずっと日本に生きている私たちは気づかない思わぬ「日本バイアス」を鋭く指摘しつつ、問題解決への提案をしていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニョンブーチョッパー
9
★★★★★ 外国人ならではの視点からの提案やら知らなかったことがらににハッとさせらた箇所が多い。「アメリカ人の死因の第3位は医療ミス」「日本では小学校で児童が掃除をする(アメリカではありえない)」「英語を話せないと思っている日本人が多いけれど、フランス語や中国語など他の言語では、簡単な文すら話せないことを考えると英語話せてるじゃないか」「日本は宗教に頼らずに倫理観を保てている」クエスチョニングという言葉とか。2020/03/10
ま
4
提案の中には「いや~これはさすがに実現不可能でしょ」というものもあったけど、こう見えるのかと感心することも多かった。基本的には日本を褒めてくれている。まあ日本を貶すとパックンの人生半分以上を否定することになっちゃうから、そういう意味では本書にもバイアスがかかってるのかな。でも最後の方は一応苦言も呈していて好感が持てた。日本はこういう人を大事にしないといけないね2020/07/27
こまち
3
日本人の心を持った外からの目線で書かれた本。外国人という立場で日本の問題をしっかり把握し、自分の意見を付して発言しているところには感服した。 ネタ的には少子化・AI・移民・原発・基地問題・差別・テロ等々盛りだくさんで、どれも日本人としてもっとしっかり向き合って、国民レベルで議論する必要があると思った。 個人的には、日本の立ち位置として、他国と敵対して恨みを買うのではなく、日本の技術力の高さや戦力を持たないこと、宗教にとらわれない属性等を生かして、各国の仲介役として感謝されるポジションになることは賛同。2019/07/29
Tomomi
2
うーん、普段から日本の問題点を見聞きして考えてる人には目新しい話はない。2020/02/04
呑司 ゛クリケット“苅岡
0
パックンの言う認知バイアスは必ずしも日本人に特徴的なモノとは限らないが、各々アイデアに満ちているので、地方を牛耳る老人(私は牛耳っていない)に読ませて上げたいと思う。このまま、待った無しで少子化が進めば日本人は絶滅危惧種になってユネスコ辺りが保護してくれるのかもしれないが、いつ、誰がそれに気付き対応するのか?老婆心ながら心配だ。この本の中から日本人も徴兵制を復活させて救世軍に兵役を強いることには賛成したい。ともかく、パックンの専攻が宗教学だったことには驚いた。2021/05/30