内容説明
司法改革のバイブルとなった問題の書、ついに復刊!
「裁判官が日本を滅ぼす」と言えば、国民の大多数は、「それ、ホント?」と言うに違いない。
しかし、残念ながらそれは本当のことなのだ。
真実を追及するはずの日本の法廷では、真実や正義とはまるでかけ離れたゲームが日々、繰り広げられている。
いわゆる「法廷ゲーム」である。
日本の官僚裁判官は、200件、300件の案件を常に抱え、それぞれが、ゲームのアンパイアとして、国民の常識や社会正義とは無縁のジャッジを日常的に下している。
そこには、国民の奉仕者である本来の公僕としての姿は、まるでない。
法律の殻だけに閉じこもった世間知らずなゲームのアンパイアたちは、一体どんな非常識判決を下しているのか。
気鋭のジャーナリスト門田隆将が、実際の裁判を実例にして、裁判官それぞれの実名を挙げながら、日本の裁判所の恐るべき実態と問題裁判官を告発し、司法の闇に大胆に迫った問題作である。
2009年に裁判員制度がスタートするなど、司法改革が着々と進む中、果たして日本の官僚裁判官は、「生まれ変わる」ことができるのか。
ベストセラーとなった単行本に、このほど大幅な加筆をおこない、再び裁判官問題を世に問う渾身のノンフィクション――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やじ
24
2003年発行、門田氏デビュー作を2013年に加筆再刊。世俗を知らない超エリートが下して来た恐ろしい判決の記録。11章「障害者をリンチで殺した少年は感受性豊か」異常性がお分かり頂けるかと。櫻井よしこ氏の薬害エイズの敗訴も衝撃、更に門田氏の日航機墜落事故「風にそよぐ墓標」が書籍の廃棄を命じられた判決には本当に驚きました。これは裏に朝日新聞が絡んでいたようです。この頃から門田氏が目障りだったのかと。吉田証言の真実で借りを返したと思いました。安倍総理が以前フェイスブックで薦めてらした本です。2015/05/25
緋莢
17
刑事では「痴漢がなかった」、民事で「痴漢があった」と正反対の判決が出た裁判、無期懲役で仮釈放され、再び殺人を犯した男に無期懲役の判決、“ノンフィクション”を否定した裁判官が命じた「書籍の廃棄」etc傲慢さとエリート意識をふりかざし、世間知らずで非常識な判決をくだした裁判官たちの姿を書いた本。2015/09/07
さきん
14
国民の多くは、裁判官の真の姿を誤解している!ほんの少し手を伸ばせばそこにある「本当の真実」に、裁判官の多くは近づこうともしないし、その本来の役割を果たそうとする使命感も問題意識もなくなっている。裁判官を選出する過程で常識や姿勢を確認する手段がなかなかない。それを補う形で裁判員制度も導入されたが、逆に感情的で非専門的な判断が出てきてしまう。裁判官の数も不足している。国民審査における裁判官の選挙も報道されない上、裁判の経緯がわかりにくいために判断しにくく、実質機能しているとは思えない。2015/08/31
スウィーニー校長
11
★★★★★ 裁判官の下した理不尽な、理解不能な判決の数々を多数の事例を示して解説。 正義が何たるかを忘れ、世間知らずで非常識、傲慢さとエリート意識。 なぜそうなるのかを分析した14章は必読。 裁判官の不足。 従順なイエスマンは権威に弱い。 勉強が良くでき挫折知らずのエリートには備わらない、事実認定能力。 裁判員裁判で改善の兆しはあるが、民事裁判にも必要だろう。2018/04/27
南北
5
これでもかというほどひどい裁判官の実例が次々と出てきます。異常犯罪を続ける犯人を平気で無罪にする裁判官あり、遺族を怒鳴りつける裁判官あり、障害者をリンチで殺しておいて何の反省もない少年を「感受性豊か」と評する裁判官あり・・・。これらはすべて司法研修で訴訟の争点を「要件事実」と「事情」に振り分け、法的な要件だけを効率よく抽出し、どのような事情にあったのか、なぜそんなことをしたのかを考慮しなくなるような教育をしているためだと著者は指摘しています。また長期間にわたって裁判官を続けることも大きな問題と言えます。 2018/05/21
