内容説明
人呼んで「小言又兵衛」、日の本一ひ弱な仇討ち姉弟に助太刀いたす!
将軍吉宗も呆れた頑固者、新シリーズ第1弾!
吉宗公亡きあと、武士道も人倫も廃れた世に、小言が尽きない旗本のご隠居が、はじめて真剣を手に大暴れ!
将軍吉宗公をして「小言又兵衛」と言わしめた武辺者の石倉又兵衛も、今では隠居の身。小者の三助に誘われて初めて芝居を観て驚愕した。鍵屋の辻の決闘など、町人が夢中になる芝居にこそ失われた武士道があったのだ。そんな折、仇討ち旅をする健気な姉弟に遭遇して又兵衛は嬉々として助太刀に乗り出す。頭脳明晰な蘭医・良庵を指南役に、奇想天外な仇討ち小説開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
11
気楽で好み2024/07/28
えみ
3
一気に読み進めました。刀が使い物にならなくなった泰平の世に合って武士としての何たるかを貫こうとする又兵衛。自分にも厳しく他人にも厳しい又兵衛はいつしか「小言又兵衛」と呼ばれるようになる。この又兵衛が隠居したのちのお話。なんだか気難しくてもう少し他人に優しくてもいいのになって思ったのですが、本当は誰かにかまって貰いたくて誰かに頼って貰いたくて、何か楽しみが欲しくて、うつうつとしていたのかなとそんな風に感じてしまいました。物語の軽快さが又兵衛との気難しさに反していて、とても味のある物語です。2018/06/08