文春文庫<br> 世界を売った男

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文春文庫
世界を売った男

  • ISBN:9784167911829

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内容説明

一夜にして6年間の記憶を失った刑事が“昨日まで追いかけていたはずの事件”の真相に迫る。
『13・67』で華文ミステリーの時代を切り拓いた陳浩基の、島田荘司推理小説賞を受賞した長篇デビュー作!

車の中で目覚めた刑事。つい先日起きた夫婦惨殺事件を捜査していた……はずが、警察署に向かえば建物も仲間の顔ぶれも全く変わっている。

そこに現れた女性記者から、事件は6年前に起きたもので犯人は逃走中に事故死、事件はすでに解決していると知らされる。

「自分は6年間の記憶を失っている?」

しかし、刑事にはなぜか確信があった。「死んだ男は、真犯人ではない!」
事件の真相を求め、女性記者とともに香港島、九龍、新界と、かつての事件関係者を訪ね歩く。

次々に出くわす意外な事実、そして不可思議な違和感、そして自分は何者なのか?
最先端と前近代の町並みが混在したエネルギッシュな過密都市を、「記憶を失った男」が、事件の真相を追って疾走する。

第2回島田荘司推理小説賞受賞作。

解説・恩田陸

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

k5

83
これを読んでいる一週間、当然のようにThe man who sold the world聴いてましたが、デヴィット・ボウイもいいけどNirvanaのカバーも良かったな、というのはおいといて、ミステリとしてはけっこうあらびきなんですが、すごく魅力のある作品。6年分の記憶を失っている、というSF並の設定が、シャーロック・ホームズ並の衒いを感じさせて、エンタメとしてのスケールが大きいです。華文ミステリ、追っかけないと。2021/02/20

TATA

67
「13・67」で一躍名を馳せた陳浩基さんの長編デビュー作で、香港を舞台にしたアクションサスペンス。後半はまるで香港映画のようなスピード感で進みます。ある朝、車中で起きると一夜にして六年の月日が流れていた。無くした六年分の記憶と六年前に起きた惨劇と。シリアスな設定なのですが女性記者とのやりとりがやや漫画的でなんとなく「シティーハンター」のような感じでした。続編あるのかな?2019/03/08

ひらちゃん

65
どれだけひっくり返してくれるんだ。殺人事件の翌朝に、記憶がとんでる刑事?まさかタイムスリップ?そんなもんじゃなかった。過去と現在と彼と彼。ああ、彼女までも…。混乱と困惑でごちゃごちゃ。プロット入り組んでたんだろうな。ミステリー好きにはたまりません。面白かったー!2019/11/10

ざるこ

64
部屋に横たわる2つの死体、失われた3つの命。妊婦をも手にかけた殺人事件。1週間後、ふと車の中で目覚めた許刑事は事件から6年が経過していることを知る。なくした記憶、解決済み事件への違和感。真犯人を求め捜査を始める。まったく驚きの連続。犯人は誰?は、あまり重要ではない。「この視点は誰なのか?」二転三転する物語に頭の中は混乱の極み。犯人の目星がついてしまうのが残念だけど、簡単に理解させない捻られた物語と人間の心理に夢中になる。靄のかかる複雑さがラスト1行で一気に視界良好。すっきり!初の香港ミステリ堪能しました。2019/11/16

konoha

53
ミステリーというより、香港の警察小説かハードボイルドのような雰囲気がかっこよくて好き。銃声が鳴る場面は、特にかっこいい。香港とノワールって、最強の組み合わせ。物語にもっと入り込みたかったけど、入りきれないまま読み終えた。冒頭のシュッとしたハードボイルドの雰囲気がとても良かったので、期待しすぎたかな。古畑任三郎と青島刑事という、日本で有名な刑事が出てくるセリフのやりとりも楽しい。2021/08/14

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