筑摩選書<br> アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代

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筑摩選書
アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代

  • 著者名:東秀紀【著】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 筑摩書房(2018/11発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480016522

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内容説明

英国を代表する「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーはまた「観光の女王」でもあった。奇しくも同じ1841年に端を発する「ミステリ」(ポー「モルグ街の殺人」)と「観光」(トマス・クックによるツアー)は、束の間の「非日常」を楽しみ、平凡だが価値ある「日常」へと帰還する営みとして、大衆社会なかんずく大英帝国の繁栄の下、花開いた。その頂点をなすクリスティーの傑作群、66作に及ぶクリスティーの長編の分析を通して、彼女が「ミステリ」と「観光」に託して描いた二〇世紀大英帝国の変容を明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MICK KICHI

92
観光の世紀と呼ばれた20世紀、英国いや世界一のミステリー作家、アガサ・クリスティーの作品世界は観光をテーマにしたベストセラーが多い。一方で彼女の作品世界の舞台は英国の田園を舞台にしたものも数多い。ホームズがロンドンを拠点としたのとは正反対である。観光、英国史という視点からアガサの作品を時系列で分析し、俯瞰的に理解できる非常に明快な解説書。本文中にも触れているが、霜月蒼氏の「完全攻略」を補完する時間・空間的攻略に役立つ参考書。おススメです。2018/12/22

TATA

36
せっかく英国にいるんだからアガサ・クリスティは必読かなと、作品ガイドとして拝読。アガサ・クリスティはすごく昔に何冊か読んだだけで、かつタイトルも忘却の彼方に(^_^;。まあ、少しずつ読んでいきませう。ガイドというよりは戦前戦後の英国近代史にも触れられているので二重の意味で役立ちました。保守党、労働党の政治の流れは今も変わらず、BREXITで揺れ動く英国。今はロシアのスパイ問題がトップニュースです。2018/03/30

くさてる

24
クリスティーの作品に現れた時代背景を通じてイギリスの国家としての変貌と時代の流れによる立ち位置の変化、当時の人々が求めたものを分析していく筆致が面白い。クリスティーの代表作を知っていればなるほどと思う部分も多いし、作家としての彼女の遍歴を通じてイギリスという国家が見えてくるような気がしました。2017/07/12

ごへいもち

16
パラパラと飛ばし読み。クリスティの作品を思う時、どうしても映像のほうを思い出してしまう2022/12/29

グラコロ

16
クリスティは大英帝国の栄枯盛衰とともに、戦前はポワロもので上流階級のオリエント急行やエジプトなどへの豪奢な旅を、戦後はミス・マーブルもので庶民の元領地へのマスツーリズムの旅を描いている。ミステリーチャンネルで観たけど、ジョーン・ヒクスン演じるミス・マーブルがカリブのリゾートで編み物をしている姿はなんともシュールだった。2017/12/30

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