内容説明
近年の落語の再評価と、仏教への関心の高まりは無縁ではない。日本の芸能の多くが宗教儀礼の模倣にルーツを持つことを知れば、落語の持つ高い文化性と宗教性が理解できる。
子どもの頃からお説教と落語の両方を聞いてきた著者が語る、とっておきの“おてらくご”論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かっぱ
32
【図書館】落語と仏教の関係は深い。日本文化そのものの中に仏教が息づいているとも言える。落語のような話芸は世界にないそうで、確かに、正座をしたたま独りでしゃべって、何人もを演じて、笑わせる。この何人もを演じるは、声色やモノマネではなくて、お客さんのイマジネーションを刺激して、そのように見せる芸が必要。「茶店で手を打てば、鳥は飛び立ち、鯉は寄って来て、女中がお茶を持ってくる」という認識の違いと危うさ。「ばかだね、自分の都合で解釈するからそんなことになるんだよ」という笑いが落語には多い。説法と落語2席のCD付2019/11/23
さぁとなつ
24
暑い夏の日、お寺の落語会に行った ご住職が浄土真宗と落語の縁の深さを説明してくださった で、本書を手に取った 日本の語り芸をざっと網羅して紹介され、浄土真宗で生まれ発達した節談説教が取り上げられている 落語、講談、浪曲などの語り芸の母胎だと紹介されていた 2部形式で①解説文②落語「お文さん」 とても分かりやすくユーモアのある文で読み易い 落語だけでなく宗教ももっと知りたいと思った お寺で江戸時代の高座で演じる落語家を見て、偉い話もおもろい話も昔は楽しみの無い日常から心踊る世界への導きだったのかと思った2025/07/28
sayzk
7
落語の起源を坊さんの説法に求める内容。「天下一の軽口男」に出てきてた、「醒睡笑」と言う古い書物が話芸に与えた影響が大きいそう。その他内容は浄土真宗における説法について。仏法的な表現が出てくる落語のネタが沢山あるんですねえ。また、坊さんの説法にも数々の技法や研鑽があったとは知らなかった。 説法一題と落語二題のCD付き。 2019/11/04
西澤 隆
6
釈さんは内田樹さんとの宗教対談本がとても良くて読み始めたお坊さん。この本もタイトルから「おきらく」な感じなんだろうなあと思えば、日本の芸能史はほとんど宗教になにかしらの縁があるというところからはじめて、説教話と落語の一致率の高さや宗派ごとのゆかりの噺、さらにリクツとしての仏教だけでなく語りの響きに「同期する」心地よさによる心への働きかけなど、遭遇や現象としての宗教にまで踏み込んで実は案外とかっちりした本なのです。落語「お文さん」の書き起こしも楽しめました。「カウンセリング的な優しい仏教本」に飽きたひとに。2017/04/28
べいやん
3
仏教を源流にいろんな伝統芸能が派生した歴史がわかりやすくまとめてある。主に落語の歴史、落語の魅力、落語の中に生きている仏法や先達の智慧が面白く紹介されていて、落語ファン(特に僧侶)にはたまらない本である。『落語をたっぷりと楽しむことができれば「ああ、人間ってほんとばかばかしいなぁ」と再認識するでしょう。でも、それは宗教を知れば知るほど人間が愛おしくなることと表裏一体なのです』(抜粋)落語の登場人物は悪人・嫌な人でもどこか憎めない。怨憎会苦を生きるヒントになったような気がした。
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