ちくまプリマー新書<br> 国境なき助産師が行く ──難民救助の活動から見えてきたこと

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ちくまプリマー新書
国境なき助産師が行く ──難民救助の活動から見えてきたこと

  • 著者名:小島毬奈【著】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 筑摩書房(2018/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480683366

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内容説明

劣等生だった著者は「国境なき医師団」で、難民救助の活動に助産師として八回参加。貧困、病気、女性の地位の低さ、レイプなど、難民の現実は厳しい! でも、必ずまた参加したくなる。この不思議な魅力をぜひ伝えたい。日本と世界の見方が変わるはず。

目次

■はじめに──自分の技術を世界で試したい
■第1章 初めての活動はパキスタンの病院(二〇一四年三月~七月)
本当に「国境なき医師団」に入ってしまった!
ペシャワールの「女性のための病院」での勤務
こんな英語力じゃ役に立たない!
忙しいけど、何をしたらいいかわからない
理想と現実とのギャップに気づくことができた
ハングーという村の病院に代行で急行
こんなところで「おおきなかぶ」状態?
現地の看護師さんの自主性を尊重したい
女性の立場の低さゆえの困難
女はどこでも、よくしゃべる
村上春樹に助けられる
やっぱり日本人は優秀なのだ
給料は、どれくらいなのか
〈コラム〉「国境なき医師団」に入るにはどうすればよいか?
■第2章 イラクのシリア人難民キャンプで働く(二〇一五年三月~九月)
自分はまだまだ、だからまた派遣に行きたくなる
難民キャンプの産科病棟のマネージャー
マネージャーの仕事に順応していく
スタッフとの確執
国内避難民の移動診療にも参加
まだまだ足りなかった自分の力
牛とヤギ以外何もない、でも私たちを笑顔で迎えてくれた
世界の現実を肌で感じる
■第3章 レバノンの難民キャンプでの活動(二〇一五年一二月~一六年九月)
日に日に増えるシリア人難民
産科病棟を開設する
レバノン人に驚く
シリア人の大家族と知り合う
レバノンの医者はお金に厳しい!
命と予算の線引き
スタッフのモチベーションをどう上げるか
頼りになる現地スタッフ、マリアム
被っていた猫がはがれてしまった!
薬剤師からの反撃、始まる
上下関係のないチームのいい雰囲気
人を動かすのは、大変です
真面目な上司も金曜の夜は踊りまくり、笑いまくる!
■第4章 地中海難民ボートでの活動(二〇一六年一一月~一七年二月)
毎日何人の難民が海で亡くなっているか知っていますか?
船の上の救助勤務
救助の合間も大変な肉体労働
レスキューの仕組み
小さなボートに何十人、船底で圧死する人、重症低体温で亡くなる人
レスキューの後の難民のお世話
トイレのパイプが爆発! あたり一面のウンコの海
海の上の共同生活
船の上のお産
まさかの明け方の陣痛
進まない分娩に焦りまくる
あきらめから、奇跡の出産へ
新生児を抱く母親の顔を見てください
医療者の大事な「証言活動」
船の上で生まれた赤ちゃんは大人気
たった二週間でたまった愚痴
深刻なレイプの実態
船の上での妊婦健診
アフリカ女性の抱える闇
セイラ(仮名)一五歳
クリスティーナ(仮名)二六歳
それでも明るさを失わないアフリカの人々
受け入れ先のイタリアからも歓迎はされない
難民申請の落とし穴
難民申請もできない人たち
ついでに難民救助も歓迎されていない
自分でできること、始めました
■第5章 南スーダンの国連保護区で働く(二〇一七年五月~九月)
今までで一番過酷な環境、ついにアフリカへ
「来てしまったよ、南スーダン……」
テントとトタンでできたベンティウの病院
初めて経験した母体死亡
そして、乳母探しが始まる
やっと見つかった、双子それぞれの乳母
この国で帝王切開をするということ
自分が決定してしまったという重い事実
自分の命にかかわる決断も許されない女性たち
下半身麻痺で出産した女性
続く性被害、それでもたくましく生きる女性たち
娘の気持ちより牛を優先する父親
現地スタッフとの関わり方は難しい
重すぎる戦争の代償
牛みたいな生活も笑い飛ばせ!
任期のある援助スタッフと終わりのない人々
海外スタッフとお国柄
コンゴ人に求愛されて困った!
援助がもたらしたアフリカの闇
ねじれた認識は不幸な歴史から
四カ月を振り返って
■おわりに──もっと自信を持ちたい、日本人はすごいです

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

84
図書館本 そうか…、中東アフリカでは医者は神より偉いのか…。態度のでかい人と一緒に働くってつらい。そういえば私も病院で清掃しているのですが、やっぱり清掃員に対する看護師・介護士の態度ってでかいですよ。そして本書ほどではないですがさぼり癖も…。 2022/03/28

けんとまん1007

47
本文の中にある「自然淘汰としての死に向き合う」という言葉が、圧倒的な響きを持って迫ってくる。ここに現実が現れている。その中でも、ご自身の思いを医療という行為を通じて体現されているのが、とてもよく伝わってくる。引用されている、緒方貞子さんの「熱い心と冷たい頭を持て」という言葉そのものではないだろうか。2021/06/18

ゆゆ

36
国境なき医師団で助産師として働く著者の経験談。日本を出て新しい世界に飛び込んだことで見えてきた、世界の現実と日本の良さが率直な言葉で綴られている。平和に日々を送れるということだけでなく、女性が自分の言葉を発し自分の意志で生きるということが実はとても幸せなことなのだという事実を教えられ、カルチャーショックを受けた。この境遇に甘んじてはいけない気がした。世界はすべて共通ではないのだと改めて感じさせられたし、だからこそ狭い世界に固執せず、考え方を変えて生きることもありなんだと目の前が開けたような気がする。2018/11/16

かお

11
国境なき医師団で助産師として働く、活動記録。ざっくばらんな文章なので、読みやすい。日本で、産科も選べて、産まれた後に必要な物にウキウキしたり…。なんて幸せな環境なんだろうと思わずにはいられない。 地中海上で、難民の人々が沢山亡くなっている事を初めて知った。女性が子供を産む機械のように現在も扱われていて、性暴力が普通に起こるアフリカ。 助けてあげるという感覚の危うさ、難民を受け入れる事が簡単では無いことを考えて読んだ。2024/11/07

るき

11
とにかく現場に飛び込んでいく力強さに胸打たれますが、きれいごとばかりではなく、自分の未熟さをさらけ出す作者に好感が持てます。若いからこそ書ける1冊だと思います。若い子に読んでほしい。2018/11/07

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