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内容説明
過酷な現場に潜入労働ルポ!
いまや日本最大の成長産業とも言われる宅配ビジネス。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の大手三社は日々、どこよりも「速く安く多く」運ぶための苛烈なシェア争いを行っている。だがその一方で、アマゾンをはじめとするネット通販の「即日宅配」まで可能にする宅配業界の現場は、いままでベールに包まれたままだった。そこで著者は、宅配ドライバーの助手に扮し、あるいは物流センターのバイトとして働くという、「潜入労働ルポ」を敢行する。そこで見えてきた、宅配戦争の「光と影」とは。ユニクロ潜入で話題を呼んだジャーナリストが放つ、衝撃のビジネス・ノンフィクション。文庫化にあたり、本書発売後に発覚したヤマト・佐川のサービス残業問題を追及した補章「残業死闘篇」を大幅書き下ろし。
※この作品は過去に単行本版として配信されていた同名タイトル の文庫版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
19
2015年刊行の単行本に「仁義なき宅配 残業死闘篇」を加えて文庫化。ネット通販を利用することが多いので宅配業者の人たちには本当にお世話になっています。しかし、「送料無料」で、注文したものが「翌日に届く」が、宅配業者の人たちの「昼食を取る時間もほとんどない」、「サービス残業は当たり前」という犠牲の上に成り立っているというのを考えると、複雑な気持ちを抱きます。ヤマト運輸、佐川の成立と軌跡なども交えつつ書かれており、非常に興味深い内容です(続く 2019/01/13
YONDA
15
ヤマトと佐川がブラックなのは報道で知ってはいたが、クール宅急便の仕分けの状況など余りにひどい。が、送料無料を喜び、Amazon利用者の自分自身もその一端を担っていると反省した。現場で汗水流して働いている人のためにも、送料無料はやめても良いのではないか。また、書かれてあるように時間指定をして不在の場合は受け取り側がいくらか払うべきではないか。宅配便が必須の世の中だからこそ、負担を宅配業者にだけ背負わせるのはどうなのか考えるべき。2020/08/02
タカボー
13
取材しておいて悪く書くという本はなかなか無いので、読む側としては会社が発信しない負の側面も見れて興味深いけど、会社の広報からは目の敵にされるだろうな。内容は面白かった。ヤマト、佐川、日本郵便、この3社と取引が全く無い会社ってほとんど無いと思う。支払額もたぶん会社の上位に入ってくる。だからどんな仕事をしてる人でも身近で興味深く読めるテーマだと思う。もう20年以上前だが学生時代にヤマトのベースでバイトしたことがあるので懐かしかったし、意外とあまり変わってないなって思った。2022/07/24
makimakimasa
10
コロナ禍の今こそ読むべき。情報量の多さが凄い力作。宅配の仕組み(各配達員は1日100~150個の荷物を運賃単価500~600円前後で運ぶ)、宅配3社の歴史と性格の違い、アマゾンのインパクト(運賃単価300円弱)、疲弊する現場の声とルポ(下請けトラック同乗、物流ベースで仕分けバイト、株主総会出席)。文庫版補章によると、ヤマトの残業代未払い騒動の対応は非常に不誠実で、佐川もそれ以上にコンプラ意識の欠如あり。執念の問題提起を行う著者に敬意を送りたいし、引き続き追及して欲しい。自分はもう両社に集荷を頼みたくない。2020/05/27
みくに
9
うちはネット宅配依存の生活はしていないからまだ対岸だけれども膨らみ過ぎて壊れそうな風船を見ている様で怖かったです。タイトルの最後に来る、アマゾン。ここに勝つまでいかなくても対等に戦える日本宅配業者はないのかな。海外ではどうなっているのかが気になりました。2019/05/22