内容説明
極悪非道の犯罪結社“ブラック・ハンド”に、“イタリア系のシャーロック・ホームズ”と称えられた名刑事が立ちむかう。二〇世紀初頭アメリカ、アル・カポネ台頭以前のマフィアVS警察を描く迫真のノンフィクション。ディカプリオ主演でハリウッド映画化進行中
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
84
1900年前後からニューヨークを中心にイタリア系一般市民を恐喝するイタリア系犯罪者グループが暗躍した。誘拐殺害爆殺という凶悪な犯行で全米も恐怖に陥れた。当時イタリア系は差別対象であり、彼らの遵法精神も薄く、有能なイタリア系刑事の孤軍奮闘も焼け石に水だったが…… 映画的な描写や適度な説明などが読みやすく感じた。そこまで感情過多でもなく、ノンフィクションの醍醐味を堪能。下手な小説を凌駕する現実のエピソードの量に驚く。途中でちょっと飽きるほどだった。自分は初耳だったが、米国の暗部の歴史の一コマだろう。良書。2019/01/17
アーちゃん
25
図書館本。タイトルの「ブラック・ハンド(マーノ・ネーラ)」は20世紀の初頭、主にニューヨークに出現したイタリア系の犯罪者集団で、なんと同胞であるイタリア移民(しかも堅気)をターゲットにして恐喝や子供の誘拐、店舗や住宅の爆破を行うというとんでもない組織。しかも警察はイタリア系移民を「白人」と見做さず捜査どころか取り合いもしない。ジョゼフ・ペトロシーノ(表紙写真左)はニューヨーク市警初のイタリア系刑事でこのブラック・ハンドに立ち向かう。カポネやマフィアが台頭する以前のイタリア及びアメリカが良くわかる良作。2019/01/02
猫ぴょん
14
100年以上前のノンフィクション!!巨大な悪に立ち向かう刑事がスゴイ~。この役をレオ様が演じるのねぇ。楽しみ~。 2019/02/10
スプリント
11
イタリア系移民を標的にした組織ブラック・ハンドの実態と敢然と立ち向かったニューヨーク市警刑事の戦いと結末の記録です。ハリウッドでディカプリオ主演で映画化が進行中のようです。2018/12/23
yooou
9
☆☆☆☆★ アメリカに渡ったイタリア人たちは当初よそ者として差別され疎外されていた。やむを得ず固まって生活している集団内で発生する恐喝・誘拐・爆破事件。集団内の成功者の足を引っ張り、白人社会への迎合を阻む大きな問題となっていく。アイルランド系で構成された警察をはじめ政府もこの問題をイタリア人同士の問題として放置事態は悪化の一途を辿っていくのだった。そこに警察官に抜擢されたイタリア系の若者ペトローシーノが敢然と立ち向かっていく。こんな史実があったとは驚きの物語でありました。2019/04/06