内容説明
昭和ホームドラマの金字塔、その原作小説。
1977年夏にTBS系列で放送され、「辛口ホームドラマ」として放送史に燦然と輝く名作。その原作小説は1976~77年にかけて東京新聞ほかで連載された。
高度成長期の大企業に勤めるモーレツサラリーマンの夫・田島謙作。傍目には恵まれた貞淑な妻・則子。才気煥発な女子大生の娘・律子と気弱な高校三年生の息子・繁。一見すると、郊外の戸建て住宅に暮らす幸福そうな一家が、ある1本の電話から破綻に向かって走り出す。主婦の浮気、レイプなど当時は斬新なテーマを意欲的に描いた、脚本家・山田太一の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
18
絶版本の復刻というP+D BOOKSシリーズ、こういう企画はありがたい。どんな名著でも絶版の憂き目から逃れられないのだなあ。原作にはドラマにも漫画にもなかったエピソードがいっぱい。元は新聞連載だけど、ドラマ化前提だったんじゃないの?という視覚的な細かい描写。則子の気持ち悪さは八千草薫じゃないとできなかったですね。マイホーム幻想を打ち砕くようで実は強化しているという恐ろしい物語。2022/12/20
uminoko
17
昭和52年に放送された連続テレビドラマの原作。その時代ならではの内容でありながら、家族の有り様は今とさほど変わらないのでは。内容盛りだくさんで面白かったです。2024/04/03
けえこ
16
再読本。 元は1977年、40年以上前の作品。新装版は読みやすかったです。 進学をやめて高卒で働く道を選択した繁、配偶者として教職につく堀を選んだ律子、取り繕い上手な妻則子、会社人間の夫謙作、多摩川沿いの古い住宅地にはまだそんな人たちが住んでいそうです。2023/04/30
Yuzi Kage
6
P302 「問題は生命(いのち)が燃えているかどうかだ」 ちょっと酔った頭で茂(主人公)はそう思った この一文がよかったです 前半はお母さんの浮気話が続いて退屈だったけど、このセリフ以降一気に読みました。 数年間、電子書籍ばかり読んでたけど、やっぱり紙のほうがパラパラと気楽にかつ集中して読めますね。 この本も電子書籍だったら読みおせなかった気がします。2025/05/13
あやこん
2
ドラマがあまりに有名で、私も見たという記憶はあるのですけど、さすがに子供の頃であり、詳細は覚えていません。台風で多摩川が決壊し、家が流された映像はよく覚えていますが、そこからこういう小説にする発想が、すごいですね。 76-77年に新聞連載だったそうですが、素材に古い物はあっても、あまり古臭く感じなかったです。まあ、父親はまさしくあの頃の昭和の父親であり、それはしょうがないと思います。2021/06/26
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