内容説明
天皇陛下の平成30年間の驚異的な旅の記録。
本書の核は二つある。一つは、平成30年間(平成30年は8月まで)の天皇皇后両陛下の旅の移動距離や訪問地などを報道資料をもとに集計、「一目でわかるデータ」にしたこと。
もう一つは、30年間の旅先での具体的なエピソードをひもときながら、両陛下の人となり、ひいては平成という時代を浮かび上がらせようという試みである。
天皇・皇后両陛下といえば、被災地で人々を励ましたり、戦没者や災害・公害などによる死没者の碑などを訪ねて祈られたりと、旅先の姿が印象深いのではないだろうか。
両陛下の旅は、被災者と向き合う、社会の片隅におかれた人々の声に耳を傾ける、かつての交戦国を訪ねて過去と向き合い親善を深めるなど、さまざまだ。
天皇陛下にとって、旅こそ「象徴」としてのメッセージを発する機会ではなかったか。『旅する天皇』を本書の書名にした意図である。平成時代の天皇・皇后両陛下の旅の全貌を伝える一冊。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるわか
16
天皇・皇后陛下の国民に少しでも寄り添おうとする真摯な姿は新しい皇室を印象づけた。即位後の移動距離は60万キロ超。被災者と向き合う「励ましと癒しの旅」。戦没者や死没者に哀悼の誠を捧げ、人々の言葉に耳を傾ける「慰霊と祈りの旅」。旧交戦国をはじめ様々な国を訪問し、過去と向き合い、親善を深める「和解と親善の旅」。全国植樹祭(初夏)・全国豊かな海づくり大会(秋)・国民体育大会(秋季)など定期的な催しへの出席。公務の訪問以上に両陛下の意向が強くにじみ出た「私的旅行」(福島・復興公営住宅、岐阜・満蒙開拓平和記念館、等)2019/03/22
犬養三千代
7
2018年10月22日 竹内正浩 小学館 1850円 平成の御代に訪れた様々な処そして、エピソードを簡単に解説。神戸空港で、少なかったお出迎えの時の陛下を、いつも反芻している。 目が合ったよねとおもいます。2018/12/01
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
1
今上天皇夫妻は公務以外の私的な旅行でも、地域から学び、そこに住む人々に慰めや励ましを与えようとしている。旅先の列挙かと思いながら読み進めたが、旅のエピソードから天皇夫妻の人間性が垣間見ることとなった。歴史的な資料としても良書だと感じた。 (kindleで読了)2019/04/06
鈴木貴博
1
平成の三十年と数ヶ月、天皇陛下の旅の記録。平成元年から平成三十年まで毎年について、行幸の一覧を示し、そしてそれぞれの年の主な行幸に関して紹介している。また、移動距離統計や、各都道府県のご訪問回数、外国訪問の訪問先、回数等のデータも分かりやすくまとめられており、興味深い。陛下の国民に対する思い、戦没者に対する思い、平和への思いがひしひしと伝わる。一国民として感謝の念に堪えない。頭が下がる記録である。2019/03/11
tecchan
0
平成天皇の在位30年間の記録。行事、視察、慰霊など公的立場で国内外を訪れた両陛下の移動距離は62万キロ余、地球15周半と言われる。国民に寄り添い、多くの尊敬を集めた。それに比べて、昨今の・・・。2021/05/16