エンブリヲ（３）

著者名：小川幸辰【著】

講談社（2018/01発売）

• ISBN：9784063141283

内容説明

虫(ワーム)の女王の目的は“学校を牧場にする”ことだった……!!　エリ子に宿った胚の羽化が近づく中、ついに虫(ワーム)による“家畜狩り”が始まり、学校中の人間が次々と餌食になってゆく!!　――人間によって汚染された沼で生まれた生物の、途方も無い進化のカタチの結末は……!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[サイバーパンツ]

楳図かずお的パニックホラーの体裁を借りながら、ナウシカの精神世界を著者なりのフェティシズムの中に引き継いだバイオSF。脊椎に虫の胚(エンブリヲ)を植え付けられた女子高生が体内で育つ虫に母性を抱くようになり、同時に虫への慈愛にも目覚めていく様を見ていると、次第に芋虫が可愛く思えてくる。自然と人間の闘争や共生といった生態系的なテーマより、少女性と母性の淡いでたゆたう少女の神秘性をメインに描いている節があるので、後に著者がロリエロ漫画に向かうのもむべなるかな。

2019/03/06