新潮新書<br> 墓が語る江戸の真実(新潮新書)

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墓が語る江戸の真実(新潮新書)

  • 著者名:岡崎守恭【著】
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 新潮社(2018/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106107863

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内容説明

なぜそこにあるのか、誰が建てたのか、並び方の意味は……。墓は歴史を知り、その真実を浮かび上がらせる。悪女と恨まれた側室と藩主の絆(鹿児島・福昌寺)、後継ぎの兄よりも弟の自分を愛してくれた母への強い思い(高野山奥の院)、死後も将軍家を見守ろうとした乳母の執念(湯島麟祥院)、百万石の安泰をもたらした不遇の兄への気配り(金沢・野田山墓地)……。墓が語る、江戸時代の愛憎と恩讐の物語十話。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

六点

106
実に掃苔趣味な江戸時代本。あまり学術的な本ではなく。気楽に読める新書本らしいものである。やはり、ジャーナリストということもあろうが、文章はこなれており、勉強になった。前田家が実に、各方面に気を使い倒した墓地であることから始まり、春日局の穴の空いた卵塔墓、榊原高尾の墓等、裏面史ぽさがあって良い。以前読んだ徳川宗家当主の方のエッセイで墓参りが辛いということを書いていたが、下手な大名だと大変だろうなというほかなし。2022/09/03

Willie the Wildcat

71
世継ぎにまつわる悲喜こもごもを踏まえた墓所。菩提寺の種類は元より、改葬や法名変更も当たり前。本著はどちらかというと”悲しき”真実が多いが、傳通院と大安禅寺が特に印象的。前者は、度重なる改葬の果てに十把一絡げで最後の墓所、という感。徳川・豊臣の紋が表裏となった後者も、その意味に親子の哀愁。慶長/元和/寛永の3つの天守が暗示する、幕府初期の複雑な人間関係の一面。墓の位置も様々なれど、前田家の墓石位置の件が、記載例の中で数少ない庶民感覚を持った事例かもしれない。2019/05/30

えみ

52
大衆に分かってもらおうとは微塵も思っていない完全マニア向けのこの手の本、大好き!歴史を墓から読み解こうとするその心意気も気に入った。というわけで墓から推測し、史料で信憑性を高めたこの一冊を読んでみる。うん、やっぱり面白い。200頁にも満たない歴史書で、参考図書を2頁分記載させてしまうほど様々な角度から歴史と墓とその人物を調査されていて掴みだけじゃない安心感をもって読むことができた。何と言ってもわたしは春日局の墓が好き。彼女の遺言をあの形の墓石にしたユーモアに敬服する。墓を通して伝わってくる執念の圧が凄い。2022/08/12

二分五厘

20
墓石は歴史を知り、語りかけてくる。江戸時代の大名家の墓の配列・規模・由来等から、葬られた人への絆や思い、配慮や執念までをも浮かび上がらせる。正夫人を放っておいて、殿と愛妾の墓が並ぶ『お由羅と島津斉興』明治以降にはびこるお由羅の血脈が凄まじい。「墓の穴」から見通す裏切りの家系『春日局』。不遇の徳川と豊臣の子、されど門葉は広がり『松平秀康』。忠義者なのか不届者なのか、一人だけ戒名が違う『寺坂吉右衛門』。墓から読み取る物語。墓は故人の心を反映させるものであると共に、建てた人の心も映し出すものだと思う。2020/02/18

みこ

13
以前にも墓に関する本のレビューで書いたが、その人がどう葬られたかは周りの人がその人をどう評価していたかに繋がるのだからある意味で究極の一次資料と言えるのではないだろうか。家光夫婦の悲しい愛情や凡庸な兄を立て続けた前田利家の心意気など墓を通じて嘘偽りない本心が垣間見える。2018/11/27

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