内容説明
チャリティや支援活動のパフォーマンスは、どうやったら測れるのか? キーワードは「事実」。哲学と経済学の概念を組み合わせた、新世代の社会貢献学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よしたけ
38
社会貢献をしたい人は多い。ボランティアやNPOでの直接貢献、募金による間接貢献等、方法は様々。本書は効果的な社会貢献法を探求。貢献活動で直接救える数は限定的で、高収入職につき多額寄付するほうが効果的。大震災等イベント起きると寄付殺到するが、注目事象への追加資金提供は効果限定的で、軽視されている活動への寄付は効果絶大。一見すると比較困難な慈善活動(貧困国への蚊帳提供VS盲導犬団体への寄付)も、人の幸福度への着目で尺度を作り比較が可能。実は搾取工場は必要、フェアトレードの効果は限定的、等不都合な真実解説も。2021/03/13
Sakie
18
世界をより良くするために、個々人は慈善活動の費用対効果の向上と公平性を求めるべきとする主旨。つまり富裕国よりも貧困国に寄付するほうが、また医者になるより稼いで寄付するほうがより多くの人を救えると説く。対照的な考え方は、身近または関心があるから援助する行為。それではだめですか?とあえて自分の中に問い立てして読んだ。結論から言うと、最終的にはその人の信条次第だ。しかし、その対象プログラムが実際に効果があるか、問題解決に貢献できるかを客観的に見定める姿勢は必要。評価団体が日本には無いので、見極めが難しいけれど。2023/07/20
テツ
14
『効果的な利他主義』という方々から反感を持たれそうなタイトルからは想像もつかない深さ。寄付やボランティア。それをただ行なって自己満足して終了ということではなく、自らのお金や労働が本当に効果的なのかということを考えていかなければならない。事前活動はオナニーではないのだから最大限の効果を発揮するように下調べをきちんと行い戦略的に進めるべきなんだな。大抵の場合はボランティアに赴くよりも現金を寄付した方が効果的であるという事実は忘れずにいたい。2020/07/09
RASCAL
12
利他主義や寄付行為には賛同するものの、それを効果的=効率のみを考えつことについてはちょっと、、、私は無差別に効率のみを考えるのではなく、自分の援助したいことに寄付したいかなー。日本と欧米の考え方の違い?搾取工場については企業のコンプライアンス・プログラムの問題、著者の見解はちょっと的外れかと。確かに安易に街頭募金や災害援助にお金を出すのではなく、支援先は吟味しないと。共感半分、懐疑的な部分半分。2023/11/04
デューク
7
「必ずしも善意が成功に結び付くとは限らない。では、どうすればなるべく効果的に人々の役に立てるだろうか」。そんな疑問から生まれた、慈善活動への科学的アプローチ。 寄付先を選ぶための指標として、質調整生存年(QALY)、つまり年数×生活の質の向上割合による指数を本書では提案している。これを用いれば、「10人をエイズから救うことと、100人を思い関節炎から救うこと」「40歳のエイズ患者の治療と、20歳の患者の失明を防ぐ手術」など、これまでは困難であった比較をトリアージすることができる。いちおし2018/12/25
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