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内容説明
「男らしい」「女らしい」。そんな言葉に、眉をひそめる人が増えてきている。ジェンダーに不用意に触れることがタブー視されるようになったこの時代にあえて、男らしさとは何かを問う。自らを見失わないために進んで便所掃除にいそしんだ、「柔道の鬼」木村政彦。武道家が強くなることをめざすのは、人に生を分けるため。何かを寄付をするときには、自分にとってちょっと痛いと思える金額を出す、それこそが「身銭を切る」ということだ――。ベストセラー『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』の著者が、男同士の震えるような機微、忘れ得ぬ男たちの生きざまを描く。多忙な日々を過ごす中で、ふと「男らしく生きるとはどういうことか」を思い出したくなった時に読んでいただきたい一冊。 ●「格好いい」より「男らしいやつ」 ●師を思う ●自己アピールしない ●魂魄を留めんとする ●瞑想する時間を持つ ●下から上を見渡す ●静かな強さを持つ ●ライバルを持つ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アリーマ
9
最近ついにこんな…と若干あ〜あな感じで手にとったが、基本的には作者と交流した人々の話を通して、男らしさや人としての素晴らしさ、武道の意味などを語る、というまことに素朴なスタイルだった。あちこちの雑誌の連載コラムなどをまとめたもの。七帝柔道記の和泉先輩も出てきたのは嬉しい。変なスタイリッシュさや説教臭さがなかったので一応安心はしたが、言って見れば安定のワンパターン? あと、タイトルはダサすぎ(まさかこの方が売れるのか?)。来年は初の警察小説が上梓されるそうなので、新境地に飛躍を期待してます。★★★ 2018/11/27
イカカイガカ
4
特に心に残ったのは「便所掃除をする」の章の中井祐樹氏についての言葉。〈人が本当に尊敬するのはパーティでキャビアを食べる人物ではない。金持ちになってヨットを買い、女性芸能人たちに囲まれる人物でもない。ノーベル賞を受賞してインタビューを受ける人物でも、ホームラン王になりスタンドに向かって手を振る人物でも、五輪の金メダルを手にマスコミのフラッシュを浴びる人物でもない。誰も見ていない場所で、弟子たちが脱ぎ散らかした便所のスリッパを黙々と揃える人物である〉。また「分際を知る」という章もあるがこの言葉も良いと思った。2018/11/23
カルロ・イータン
3
武道に裏付けられた男の生きざまは謙虚で素晴らしい。胸に刺さる言葉が満載であった。「便所掃除をする」の項の締めの言葉「現役生活を終えた武道家に表彰台は似つかわしくない。便器に向かい、糞便にまみれてそれを磨き、磨かれた便器に映る自らの影にこそ満足を得るべきだ」。泣けるではないか。2018/11/05
Yuho Tanuma
2
七帝柔道を読んだ時にも思ったけど、増田さんと自分とは全く歩んできた人生が違う。およそ自分は死にものぐるいで何かに取り組んだというような経験が全くない。。元不良の武勇伝には辟易するが、だけど増田さんやこの作品に登場する真剣に生きる人々の人生に憧れてしまう。2019/07/05
もしもしかめよ
1
自身が柔道経験者というのも核にあり、増田さんの人生哲学は古き良き日本人の侍スピリットを色濃く宿していると思う。元警察官の父親の影響も多分にあるだろう。本書で涙腺が緩む箇所が随所にあった。コラムで紹介されていたベルとVAT69というウイスキーは是非とも飲んでみようと思う。また手塚治虫先生と梶原一騎先生の評伝も読んでみようと思わされた。2018/12/07