内容説明
――もみじ、もみじ、愛してる。早く着替えて、また戻っておいで。(本文より) 房総・鴨川での田舎暮らしを飛び出して約15年。度重なる転機と転居、波乱万丈な暮らしを経て、軽井沢に終(つい)の住まいを見つけた著者。当初2匹だった猫も、気づけば5匹に。中でも特別な存在は、人生の荒波をともに渡ってきた盟友〈もみじ〉。連載のさなか、その〈もみじ〉が、ある病に侵されていることが発覚して――。Twitter上で共感・感動の嵐が巻き起こった大人気エッセイ。愛くるしい猫たちの写真も満載!
目次
1 猫のいた日々、いない日々
2 住まいと、猫と、恋愛と
3 見送る覚悟
4 いつか、同じ場所へ
つぶやきの記録
あとがき、てなに――もみじの言いぶん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
247
村山 由佳は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 著者が猫がいなけりゃ息もできない程、猫好きだとは知りませんでした。最愛猫もみじの癌闘病エッセイ、私が癌経験者ということもあり、感涙しました。但し、私なら12回も手術をさせず、安楽死を選択します。 ネコメンタリー 猫も、杓子も。「村山由佳ともみじ」 (=^・・^=) https://www.youtube.com/watch?v=hfzRQF2Bx2k2018/11/20
ぶち
136
【猫本を読もう 読書会】村山さんの愛猫、もみじちゃんの最後の一年を綴ったエッセイです。それはまるで、日々の暮らしを克明に記録したドキュメントのようです。激情にかられて悲しみをぶちまけ、書き散らかされた文章よりも、ひしひしと心を締め付けられ、号泣する場面も。 そして、それは悲しく切ないだけではありません。悲しさ向き合うためのヒントもいただきました。『猫の身体は液体だ。だから、狭いところにも入り込めるし、どんな隙間にもぴったりおさまる。もちろん、心の中の空洞にも』心の奥底から慰められた言葉です。2019/02/22
初美マリン
127
読みながらどれだけ涙が溢れたか、猫の日常のエッセイのつもりでいたのに、老猫が病気と闘い天国にいく。今毎晩一緒に寝ている猫も二十歳、もみじちゃん、頑張ったね、ありがとう 2020/03/10
じょんじょん
97
森下典子さん、角田光代さんに続けての猫エッセイ。村山由佳さんの『猫がいなけりゃ息もできない』は究極の猫エッセイです。猫愛に満ちた村山さんは前夫の猫嫌いで10年ブランクあったものの、離婚や家出含めた波乱万丈人生をともにしてきた、もみじちゃんとの17年強の思いのたけが綴られています。軽井沢に5匹の猫と暮らす村山さんが癌に侵された、もみじちゃんとお別れをするまでの心揺さぶられる作品でした。NHKEテレのネコメンタリー「村山由佳ともみじ」再放送を見たばかり。圧巻のもみじの最期は涙をとめるすべがありませんでした。2019/02/19
miww
95
村山さんにとって特別な猫もみじちゃん。ふたりの最後の1年、尊い日々を綴ったエッセイ。かけがえのない大切なものとの別れを宣告されたときの動揺とそれを失うことへの恐怖。できる全てのことをしながら覚悟し見送った村山さんの心の動きと、もみちゃんへの思いが心の芯まで伝わってきて涙が止まらない。辛くて読むのを躊躇っていた。号泣した。でも読んで本当によかった。もみじの言いぶん「あンなあ、かーちゃん。うち、ずっとそばにいてんねんで。晩かて一緒に寝てるやん。わかってるくせに。」この本をずっと手元に置いておきたくなった。 2018/12/27