内容説明
行動や性格と遺伝との関係に興味を持ったことがある人は多いと思います。人を観察していると、社交的であったり、とっつきにくかったり、物静かだったり、心配性だったりというように、それぞれ性格が異なることに気づきます。
人において、行動や性格と遺伝子の関係を詳細に調べることは難しいものですが、マウスならそれができます。現在、マウスを用いて、社会行動や攻撃性、学習記憶、不安、人懐っこさなど、さまざまな行動に関わる遺伝子の詳細な機能を調べる研究が進められています。マウスの行動遺伝学は、近年のゲノム科学や神経科学、さらには行動解析技術の進歩とそれら分野間の融合により、今後さらに大きく進展することが期待されているのです。本書では、行動遺伝学の研究の歴史から、現在の最先端の知見までをご紹介します。