内容説明
写実の奥を描いたと激賞される「トロッコ」、一つの事件に対する認識の違い、真実の危うさを冷徹な眼差しで綴った「報恩記」、芥川文学の転機と言われる農民小説「一塊の土」ほか中期の名作21編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
91
何故か急にやってきた私的芥川龍之介ブーム。あまり読んだことがない作品が収録されてる本書を選びました。「トロッコ」は子供特有の不安感が的確に描写されていて自分自身の子供時代を思い出しました。「おぎん」は先日読んだ「超訳マンガ オチがすごい文豪ミステリー」にも収録されていてこういう話だったのかと面白く読みました。「おぎん」は遠藤周作の「沈黙」を思い出しました。「三つの宝」「二人小町」はコミカルで面白い。エッセイ風の「子供の病気」も興味深く読みました。「あばばばば」はタイトルが秀逸。童話風の「白」も良かった。2019/09/01
優希
53
芥川の転機ともなる短編集でした。重めの話が多いですが、様々な色彩の群像劇を見ているような気分になりました。芥川は多彩な才能の持ち主だからか、何度読んでも新鮮な気分になる表情を持ち合わせていると思います。この本も何度も読むことになるでしょう。2023/03/18
優希
49
様々な色彩を見せる短編集だと思いました。芥川の転機となる時期に描かれたからかもしれません。全体的に重めですが、読みやすい作品もあります。色々な表情を見せる芥川は、何度も読むことで味わえる作品を多く残したのではないでしょうか。2022/06/20
かまる
36
【トロッコ/ 芥川龍之介 】 “登り路の方がいい、いつまでも押させてくれるから“ 軽便鉄道時代の湯河原、今年八つになる良平はトロッコに夢中になっていた。一緒にトロッコを押すことを許してくれた土工達とのやりとりは、良平が他人とのやり取りを学び、他人との距離を知ることになる。その強烈な原体験はいつまでも彼の中に残る。少年良平の気持が目の前にあるかのように伝わってくる短編小説。中期の傑作。2022/07/09
里愛乍
33
二十一篇から成る短編集。そのどれもが僅か数ページでありながら、読み終えるごとに余韻を残す。ミステリ調だったり御伽噺風だったり寸劇的であったりと形態も様々で、途中ダレる事なく、また一篇が即読めるので無理なく程よいペースで読了できた。外国語がひらがななのが何となく可愛らしいというか、芥川っぽい(イメージ)鴎外なら間違いなくスペル綴のまんまだっただろうな、なんて思いながら。2018/11/25
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