内容説明
15年の時を経て起きた、一家惨殺事件。謎が解決したと思いきや、新たな謎が……。イマドキの刑事と伝説の元刑事の迷コンビが謎を追う。予想もつかないラストが待ち受ける、衝撃の警察ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
80
漫画家の浦沢直樹さんとのコンビで有名な長崎さんの小説。「闇の伴走者」の醍醐シリーズも面白いが、退職した元刑事を主人公にしたこの小説も大変面白かった。様相の変わって行く猟奇殺人事件、警察のアドバイザーとなった主人公を巡る現職警察官たちの思惑、面白いのにタイトルで損をしているような気もします。なんと次作もあるらしいのでそれもポチッとな。2020/09/17
シキモリ
34
引退した伝説の老刑事が難事件に挑む為に復帰―というシンプルな筋書きの警察小説を想像していたので、まさか国家レベルの国際問題まで風呂敷を広げるとは全く思わなかった。「闇の伴走者」同様に色々盛り込み過ぎて散漫な印象ばかり残るが、これが著者の作風と言われればそれまでか。特に15年前の未解決事件の真相は流石に取って付けた感が強過ぎる。久井の人物造形や中戸川とのバディ関係は好みなだけに勿体ない。テーマと登場人物をもっと絞り込めば、グッと物語が引き締まりそうなのだが…。余談:タイトルとサブタイトルもやはり逆の方が―。2018/10/31
坂城 弥生
31
重い話だった。親の愛って結局なんなんだろう、と考える。子どもの異常性を認めることは多分難しいんだろうな。2019/02/19
三代目けんこと
23
父親と子、『望み』同様に色々と考えさせられた。続編の『ドラゴンスリーパー』も文庫化を楽しみに待ちたい。2019/08/18
チャリー・コグコグ
21
浦沢直樹と組んだ原作漫画は多数読んでいるが小説は初読み。面白かった。設定もキャラも事件を追う過程も堪能。父親が子育てにどう関わるべきだったのか、父親の子どもへの愛をどう表現すべきなのかといった葛藤を何組もの父親と子どもの関係に表しているところでストーリーに深み。ただ警察サイドの捜査に当たるキャラが多いし班長たちの違いがわかりづらいくってノッキング、事件解決も後半駆け足すぎで残念。もっと読ませて欲しかった2020/06/09