内容説明
夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
102
★★★☆☆21056【八月は冷たい城 (恩田 陸さん)】恩田さんの2016年作品にもかかわらず、現在のコロナ禍と重ね合わせてしまう様な内容でした。世界は緑色感冒という病でパンデミックを起こしたんですが、封じ込めに成功して患者が激減し、過去のものと徐々に忘れられてきたころの日本が舞台。まだいる患者は特殊な地域の施設に隔離。親を隔離されてしまった子供達は林間学校としてそこに集められ〜と始まります。ある意味、全体的に物悲しい雰囲気が漂っていて、さらにはホラー的な空気感もあってゾーッとしてしまいました。2021/06/06
りゅう☆
94
夏流城に呼ばれた男子4人。参加の理由は承知。感染を防ぐため隔離され、生きてる間はもちろん死んだ後も会う事ができない。「みどりおとこ」に案内された光彦は「あんた、危ないわね。カマキリに喰われちゃうわよ」と言われ恐怖感募る。4つのひまわり、鎌を持った人影、入口の鎌、ベンチに仕掛けられた罠。最初に亡くなった番号は4人に該当せず。5人目がいるのか?行き来を自由にできるみどりおとこの仕業なのか?みどりおとこの本当の正体とは?恐怖から切なさ、そしてまた恐怖へと繋がる、そんな夏の日。緑色感冒の早い終息願う、コロナも…。2020/08/25
NADIA
81
新型コロナで利用している図書館が2週間休館になるので、慌てて前日に適当に手に取り借り出した。薄い上に行間も空いていたためすぐに読み終わってしまったが、なかなか不気味なホラーテイスト。でも、あまりにもあっさりとしすぎていて怖がりな私でも物足りなさを感じる。「七月」を未読のせいかもしれないので、図書館の予約システムが再開したら読んでみるつもりだ。2020/03/04
りょうこ
79
これは...前作の7月を読んでから読み始めた方が良いとは思いますが... 仮に逆になっても...それはそれで... ありかもしれない。 とにかく2冊とも表紙の美しさに目を奪われる。並んで陳列されてたら.... 思わすわ買ってしまう(笑) 好みはちょっと別れるかもしれませんが、私の好きな恩田さん!!でしたー!2018/12/20
眠る山猫屋
61
残酷な真実。残酷な現実なのに、そのリアルを後ろに置いて夏流城を立ち去る四人の少年たち。受け入れて抱えて消化して、想いとともに生きていく。2019/06/12
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