内容説明
累計12万部突破の「警告」シリーズ最新作! エセ保守が跋扈し、「改革」という名の社会の破壊を企む勢力の乱立に今こそ投げかける、真の保守=小林秀雄の明察。進歩的歴史観のうさんくささを明快に斬り、対象をただそのままに「見る」ことの重要性を繰り返し主張した。難解な思想家というイメージを覆し、日本社会の行く道を照らし出す!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
71
名前だけは知っている小林秀雄の文章などを通して彼の人物像を探ろうとした本。多岐な方面に渡る発言を参照しているため、多少羅列的に感じる。ゲーテの話の中で突然独創性が現れるわけではなく小林秀雄は「あらゆる文化の本質はものまねから」という。先人からの積み上げが大事。2019/09/02
おさむ
31
学生時代、小林秀雄が苦手だった。文章は難解だし、でも試験で出るから読まなきゃいけないし、嫌いなものを無理やり食べさせられたような記憶しかない。そんなトラウマを克服しようと思いたち本著を読んでみましたが‥‥、駄目でした。さまざまな哲学者の思想や言葉をひいて、小林の叡智を紹介しようとするのだが、なぜか頭に入ってこない。この適菜さんの文章も抜粋の仕方が雑だから、余計わかりにくいのかもしれない。残念でした‥‥。2020/07/21
出世八五郎
20
良かった。ゲーテ、ニーチェ、ミシマに続く近代の警告シリーズだと思います。個人的に人間は言葉よりも行動やふるまいなどの方が雄弁だと考えていました。この本の感想は難しいというか、頭がまとまらない。4章で著者お馴染みの保守について語られますが、前半は小林秀雄の考え、思想などを語っています。科学は分解分析するが、全体を見て感じなくてはいけない!ような特殊(?)なことを語っています。それは勉強になる。これに仏教やスピリチュアル系で語られるラベリングとかが出てくる。深いところで繋がってるのでしょう。2022/09/06
ほじゅどー
10
小林秀雄にはモノが見えていた。詩人のランボーのように。近代は病んだ世界。だからこそ、もう一度、常識を取り戻さなければならない。知識がないことがバカなのではない。価値の判断ができないこと、大事なことと下らないこととの区別がつかないことがバカなのだ。近代とは人間の生の衰弱の過程である。近代人はその歪んだ歴史観により過去を軽視するようになった。自分たちこそ歴史の最先端に立っていると思い込むようになった。万能感に酔いしれた近代人は自分たちが理解できる範囲にあらゆるものを押し込めていき、それを「世界」と誤認した。2019/01/19
naji
9
小林秀雄の著者をほかにもみてみたくなった!深く深く読み込む必要がありそうですね。2020/05/10