ベスト新書<br> 歴史の「普通」ってなんですか?

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歴史の「普通」ってなんですか?

  • ISBN:9784584125915

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内容説明

丸刈りを強制していた学校のほとんどで、スキンヘッドが禁止されています。
私はこれを知ったとき混乱しました。
日本の学校は、丸刈りにしてこいと命じるのに、スキンヘッドにしていったら逆に怒られるんです。
はぁ? 意味わかんねえ。
どうやら学校の先生がたは、丸刈りを権力に従順な姿勢の表れとみなす一方で、
スキンヘッドは社会常識や権威に反抗する危険人物の象徴とみなすらしいのです。
パンクとかネオナチなんかをイメージしてるのでしょうか。
【第五章・頭髪百年戦争――茶髪・黒髪・パーマ――より】

◆目次
はじめに トリセツと結論
第一章  保育園と共働きはなぜ憎まれるのか?
第二章  こどもに優しくなかった日本人
第三章  輝け! 日本の伝統
第四章  伝統、春のフェイク祭り
第五章  頭髪百年戦争―茶髪・長髪・パーマ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

37
「昔はよかった病」の続編というかスピンオフ。保育園と共稼ぎの章が面白い! 昔も住宅街に保育園作る計画には住民は大反対するし、地域で子どもを見守るなんてことはしてなかった、ということを過去の新聞記事や書籍から検証。ちくちくイヂワルな文章が小気味いいわ。自称イタリア人のパオロさんの正体が毎回気になるわ。2019/02/23

hk

32
「伝統とは少し長めの流行である」と定義した上で、日本にある様々な「伝統」について考察した一冊。「子供は社会が育てるもの」「祝日には国旗を掲揚するべし」「かつての日本人はおとなしかった」「日本男児は丸刈りであるべし」といった日本人がもつ自分たちへのステレオタイプを点検している。驚かされたのが「伝統という単語はトラディショナルを明治維新前後に即興で翻訳したもの」という指摘。明治以前は伝統という語彙自体がなかったようだ(遺風といった同意語があったはずだが著者は触れていない‥)。なるほどそれは知らなかった。2019/02/07

くさてる

26
たぶん著者のこういう姿勢は好かれない。でも、著者は分かりやすい「普通」に思われている「当り前」の「誰でもそう」な「昔からあった」ことに、ちゃんと調査のうえで、「本当にそうですか?」と問いかけてくる。耳障りの良い言葉になんとなく納得して終わらせようとしてしまうときに、思い出したい内容です。2019/01/05

タルシル📖ヨムノスキー

25
少し前に読んだ古市憲寿さんの本で引用されていて、気になったので手に取った本書。そもそも「普通」とか「一般的」ってのはいつの、どの時代からの話なんだ?という視点から、「子育て」、「学生の髪型」、「伝統」といった事柄にズバリと切り込む。私たちは、いや少なくとも私は「伝統」と目にしたら江戸時代かそれ以前から受け継がれている物事だと認識していたのですが、この本を読むとどうやらそうでもないらしい。しかもその言葉の定義はその頃のオトナによって都合よく解釈され、マスコミによってそれが拡散したらしい。何だかなぁ。2023/11/14

rosetta

25
伝統とはちょっと続いた流行りだ、と主張する筆者は、エセ右翼のよく使う「大事な日本の伝統」という言い回しに辛辣な口調で鋭く切り込む。明治以降伝統とは埃を被ったもので輝くのは現在と未来だったものが、輝くの伝統なる形容矛盾が流行るようになったのは戦争が進み戦意高揚が必要になった時期であったとか、祭日に日の丸を掲げるのは戦時中のホンの数年間の習慣でしか無かったとか、当時の出版物を調べて説くから説得力がある。自分たちもそうした捏造された伝統を押し付けられつつある、例えばそう、恵方巻き!2019/03/26

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