内容説明
教養とは「思想的軸」――それは読書でつくられる。自分らしくあるために、自分らしく生きるために
現代は情報が過剰ともいうべき時代です。マスメディアだけでなく、SNSを通じて、膨大な情報が我々の手に届きます。こうした情報を活用するのは結構ですが、多くの人が情報に踊らされているようにも思えてなりません。容易に流されることなく、自分自身で一つひとつの情報を吟味していくためには、読書によって培われた「思想的軸」が重要となってきます。
「思想的軸」とは、必ずしも、思想そのものから導き出されるわけではありません。
面白いと思って読み始めた推理小説の登場人物の台詞の中に、驚くべき洞察を見出すことがあるかもしれません――(「はじめに」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホッパー
70
古典が多めなブックガイド。解釈もしっかり交えつつ紹介されており、読んでみたいと思える本が増えた。著者の読書に対する真摯な姿勢が感じられて、自分もそうでありたいと思い直せた。2021/09/18
タナカ電子出版
34
この本はなぜ読書をするのか?また、読書によっての文学の危険性 流されないための読書を提案してくれる本です。読書方針がない活字中毒な若者に読んでほしい本です。著者の岩田温さんはかなりよく本を読んでいます。これからどんな本を読むべきか参考にもなります。しかし教養本に傾く傾向が強くバランスがどうかと思えます…政治学者ゆえなのか?考えが古いです。もう少し新しい本もすすめてほしかったです。2018/12/26
hk
24
本読みには「自分の世界観を補強するための本読み」と「筆者に洗脳されてしまう本読み」という両極がある。その中庸にある「筆者との対話を行いながら、価値観の持ち札を増やす本読み」「偏見を正すのではなく、何ものも偏見していることに気付く本読み」が最上だと著者は説く。「自分の世界観を補強する本読み」の例として、たいへんな読書家だったヒトラーが暴走するありさまを提示し戒めとしている。だが「世界観を補強する本読み(インプット)」は世の中わけても現代IT社会を席巻中だ。私なんてその権化のようなもの。身につまされる一冊だ。2019/08/11
おおにし
23
政治学者としての著者のスタンスはよくわからないが、紹介されている本をみると私の読書傾向と近い部分があり親近感を覚えた。しかし、同じ本を読んでも解釈力の差を痛感。まだまだ自分の読書力に課題があることを実感できただけでもこの本を読んだ価値はあった。とりあえずホッファーをもっときちんと読んでみたい。2019/07/31
0717
16
岩田さんによる読書案内。私より随分お若いですが、大変参考になりました。渡部昇一先生の本は私も若い頃から良く読みました。特に日本史、目から鱗が落ちまくりで、救われるような思いがしました。2021/09/03