内容説明
小麦のない世界でパンをつくる!? 若き居酒屋店主が料理で異世界の人々を癒していく。
若き居酒屋店主、紺屋康太が異世界の住民に受け入れられてからしばし時が流れた。
ある日、異世界の星座に興味を持った康太は、星座について教えてもらおうと、
集落の外れに住む異邦の老ドワーフ、鉄じいさんのもとを訪ねる。
だが、老ドワーフは康太をすげなく追い返した。
鉄じいさんは、他人と関わり合いになるのを避けつづけてきた。
そのせいで、鉄を操る凄腕の魔述師でありながら、ひとびとに疎まれている。
鉄じいさんの昔語りと思わぬ優しさに触れた康太は、
喜んでもらいたい一心で、勝手に饗宴を請け負った。
鉄じいさんの故郷の料理を再現するため、
康太は、またも異世界の里山を走り回るのだった。
中野 在太(ナカノアルタ):神奈川県在住。本作にてデビュー。
七和 禮(シチワレイ):イラストレーター。
「汐汲坂のカフェ・ルナール 」「転醒のKAFKA使い」
「お嬢様が、いけないことをたくらんでいます! 」「放課後四重奏」
「探偵失格」他、ラノベ・TCG等のイラストを担当。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
41
給地での生活にも慣れた康太は、この世界の文字を教えて貰おうと村のはずれの沼地の側に寂しく暮らす偏屈爺さんの鉄爺さんの元を訪れるが、取りつく島もなく追い返されてしまうが、彼の故郷の料理の話を聞き、その味を再現しようとするが…。米や豆程度しか栽培されていない食材に乏しい給地の食糧事情の中でも、給地の人達と懸命に新たな食材探しや器材を作り上げていく康太の努力する姿が良く、小麦粉や米粉や砂糖を使わないパン作りに挑戦するのが凄かった。後半の楱美さんとの不思議な恋愛模様も良かったですが、食い気重視の彼女の姿に苦笑。2017/11/05
瀧ながれ
27
主人公が、ヒロインの転がしかたをすっかり習得したようです(笑)。ヒロインのとりとめのない発言を、落とすことなくうまいこと受け流すスキルが身に付きました。彼女の存在が主人公の精神を支えているので、ふたりの仲がいいのは、微笑ましいです。今回、灰かぶりちゃんが登場し、その周辺のヘビーな生活が明らかになりましたけど、これきりのエピソードでしょうか。できれば彼女たちも、「さいごはおいしい」で笑顔になってほしいけど。主人公がどうにも及び腰で介入が中途半端なの、気持ちはわかるしこの作品のおもしろいとこだけどじれったい。2017/05/23
ううち
7
第2弾。康太が榛美さんの扱いにだいぶ慣れてきた感が。ドワーフの鉄じいさんのスキル半端ない。冷凍も熟成もできちゃう季節の蔵がいいなー。2018/11/30
TAMA
7
猫じゃらしとしか思ってませんでしたが、粟との関係性におどろき。そんなに手をかけたら時間無くない?と心配になる。おっとり時間。そしてなんだかどこかが痛い本。おだやか彼女が癒し。一作目まだ読んでないうちに手をつけてしまった二作目でした。2017/04/24
スカーレット
3
偏屈ドワーフ鉄じいさんに文字を教わるはずが・・・蒸留酒の製造とねこじゃらしのかて飯で故郷の味の再現。 領主と執事がかなり怖いけど・・・灰かぶりは領主のそばを離れないのねぇ。彼女の幸せを祈るばかり・・・2017/11/28