内容説明
アザーズ侵攻からパヴ人の星系を守るための戦いは敗北に終わった。しかもその戦闘で、敵に地球の位置を知られてしまう。つぎに狙われるのは地球だ! ボブたちは必死で対抗策を考えるが、対処しなければならない問題はほかにも数多くあった。ポセンドンの独裁者政権、ブラジルの複製人メデイロスの攻撃……そんななか、ついに強大なアザーズの艦隊が襲来する。地球防衛のために集結した500体のボブは……3部作、堂々完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
56
まるでパンドラの壺のような“アザーズ”の脅威が印象的だったので、臨場感に欠ける最終決戦で盛り上げたとはいえ、表立ってはボブズを取り巻く状況の物語が綴られる展開に、肩透かしの感は否めない。そのボブズの個々の物語も興味深い内容ではあるが、扱いがダイジェスト版のように稀薄で読み足り無さを感じてしまった。2018/11/14
ひさか
38
2017年8月刊のAll These Worldsを金子浩さん翻訳で2018年10月ハヤカワSF文庫刊。大団円でホッとしました。ボブ達は、よく人類の面倒を見てくれるのが楽しい。3巻を通して、とても面白かった。2018年のベストだ。ボブたちの活躍をもっと読みたいと思ったら、続編執筆中とかで、いや良かった良かった。楽しみ。2019/05/01
姉勤
32
4部作の3巻目(完結。続編発生)。西暦2224〜2263。超高速通信や恒星間航行を早期に達成したわりに物語世界の技術イノベーションは緩やか。そして生粋人類は度し難い。神であり公僕でもある主人公(の数百のコピー)は他の星系への植民、原始知性人との同居、異星人の方舟計画、共生不能の先進知性体との絶滅戦争、そして老いらくの恋と平行にストーリーが進み、一応の区切りとなる。条件はあれ、なんでも創造できる万能感があるとはいえ、この主人公のモチベーションもひと段落か。読者が飽きなければ無限のスピンオフが可能な物語世界。2024/06/29
ヘラジカ
30
うまくまとめきった最終巻。あとがきの読者投票のランキング通り、ハードSFの名作としてSF史に名を連ねるに違いない。しかし、主人公(たち)の絶対的な優位性による安心感ゆえに抑揚(エモーション)が欠けてしまう設定を、今後のシリーズ展開でどう打破していくかが気になるところ。新章も大部になるようだが3巻でも若干感じられたマンネリズムが広がっていないことを願うばかりだ。まだまだ読んでいたいとは思わせるものの、よく出来た世界だけに新作を読むのは数年に一度で良いかなという気も。
ニミッツクラス
28
18年(平成30年)の税抜1020円の青背初版。レギオン初期三部作の最終巻で前巻より20円高い。今回も細切れながらエンタメ的には盛沢山だが、昨今のH・N賞とは反りが合わないね。残留地球人救援からしつこいブラジル帝国AI殲滅、宿敵アザーズとの太陽系決戦を描く。植民者や未開の異星種族の保護なども続く。ちなみに太陽系決戦時のAIボブ側の勢力は、ボブ500人、人工AI戦艦1000隻、核爆弾3000発、特攻バスター機5000個で、相手方は数万レベルだ。ラストで動植物の複製が数年内に可能との嬉しい言及。★★★★☆☆2025/09/23




